他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

pnigos

俺も、人知れぬ、のどかで、退屈で死にそうな街で、サンドイッチを作りながら緩やかに死を迎えた方がよかったのかもしれない。すぐにたくさんが目に見えてしまう時代に生まれたのは、個人的精神性から見て大いに間違った気はする。久しぶりに人と飯を食ったが、一方の隣の席では「焼肉で鶏肉食べるのはないわ」「牛か豚でしょ」という話をしていて、他方の隣の席では男がうまい以外の感想を口にしなかった。よっぽど頭にヤゲン軟骨を生やしてやろうかと思ったが、いくら元が鶏とは言えトリ頭に生やされては痛ましいのでやめておいた。道端で流れていたテレビだったか、ラジオだったかで、それに知性という言葉を認めたら言葉の定義が大幅に拡大される事が期待されるようなアイドルが、たこ焼きを食べて「外がカリッとしてて中がとろっとしてておいしいです」という感想を流していて、目ん玉をひん剥いて眼球が零れ落ちそうになった。どこでも誰からも聞ける、手垢でブラックホールよりも真っ黒になったちゃちいそれが、ギャランティーをもらってブロードキャストに乗るという事実に耐えられなかった。今日はそんな事ばかり考えていた。