2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧
午後のどこか2時間くらいを割いて目的地を決めず彷徨しようと思っていたのに、目覚めしな雨の音がしていたのでしょんぼりした。貝割れ大根の発育を見る自由研究で、どうなるのかと興味を抱いて最後に日光に当ててみた覚えがあって、しかしその結果が微塵も…
色々お金を整理して家賃を払った。休暇中でも銀行のATMだけは開いていてありがたい。こういう事は機械に丸投げしていい。一月に一回くらいしか記帳しないので、たまに猛烈な機械音とともに自分でもよく分からない明細がびっしり印字されて返ってくる。携帯料…
まだ今月の家賃を払っていなくて、サブ口座からメイン口座にお金を移さなければ到底払えたものではない残高なのをすっかり忘れ続けて今日も家を出て5分くらいしてからゆうちょ通帳を持ち出すのを失念した事に気が付いたが、戻るのも面倒だし明日また外出す…
横断歩道は車道に被っているのだから、横断「歩道」と言い切るのは少なからず傲慢で、車道と空間を同じくする点を捨象せず表現するなら車道横断歩道とでも言わなければいけないと思っていたら、いつの間にか信号が変わっていた。それから、カバンに入れてお…
歴史を刻んだのだろうなと一瞥して分かる、木彫りの傘立てというか、外套掛けを無理やり傘立て傘掛けに転用したようなそれがあって、水が溜まる場所に緑青みたいな色と様相で黴が生えていた。異常な状態で屋外に放置された百円玉の額面がそんな感じになって…
さっきおにぎりを食べた。私の握り拳よりもでかいバクダンおにぎりだったので、例えるならパワプロくんやボンバーマンの手足が丸いそれと似たような感じなのだが、食べ進めて少しもしない間に上品な味のツナマヨが出てきたので、ツナマヨが嫌いな人はマヨが…
起き抜けに着替えて靴下を履くと、身に覚えのない風通しの良さが踵をよぎった。暖かくなったとはいえ、まさか私の頭が惚けて、靴下を履いたつもりが実は履いてませんでした、というどうしようもない誤認が起こったとは思えなかった。なので、踵を見た。スク…
ビルとビルの間の怪しい隙間に、これまた怪しい広告が貼られていて、お金持ちの女性の相手募集みたいなあの手のビラは漏れなくラミネート加工されており、間違いなく下手人がいるのだが、バンクシーがごとくまだその正体を見た事がない。この間見たのは、お…
さらさら流れていたのに、なんだかねっとりが混じり始めた。汗の話である。ちょっと暑いかもしれない、の後に痕跡が残らなかった時は過ぎ去り、いつの間にやら塩分とか脂とか生体的分泌物の残滓を肌の表面に感じる季節になり始めた。正直長袖長ズボンの装い…
いくつかやろうと心に留めておいた事があったのだが、ぐったりしてやらなかった。やろうと思わなかった事はやったが、やらなくてもいいしやらない方がなんならよかった事でもあったので、つまる所やらなくてもよかった。「ぐったり」という字面のぐったり感…
もう2枚も上に着ていなくていいような温度になってきた。夕方はまだ変な遷移をしているが、日中は頭お花畑で生きていけそうだ。1枚で過ごしていてもいいのだが、1枚でいいところを2枚着て、過剰に溢れた暖かさで頭がぼんやりする、二度寝直前くらいのあ…
いつから桜が咲き始めたのか全く思い出せないが、この頃は咲いている桜を見る事が多かった。桜には色んな種類があるらしくて、片手の指の本数分くらいしか挙げられそうにないが、今が山よと咲き誇る花が陽光を透かしている下に立つと、少しばかり素敵な気持…
暗くなるのが遅くなった。明らかに遅くなった。18時くらいならまだまだ可愛いものだ。家路に就いて、空を見上げると、そこにはイワシの蒲焼があった。イワシの蒲焼みたいな雲があった。何回見てもイワシの蒲焼だった。白かったが、それは確かにイワシの蒲焼…
多分、今はどこの区でも選挙に向けたアクションがそこら中を動き回っていて、20時を回るまで朝の9時前くらいから何かしらのスローガンが聞こえて来る時期である。いつものおっきい交差点で横断歩道を横断していると、歩行者の通過待ちで停車している選挙カ…
全然分からない事を全然分からないまま濁流のように説明されて、さて皆さんどうでしょう、といった顔をされていると、脳味噌がねじれまくる感覚が尋常ではない。他人の力に任せて引きずられるがままになった事はないが、知性の面でそれをされている気分にな…
左顎下奥歯が血の滲むほど痛い。血が滲んでいるかどうかは見えないので分からないが、親知らずの特質を存分に振るっているのか、ずっと痛い。歯が痛いというのは、要するに手出しの出来ないところが痛むという事であって、自分ではどうしようもないのだと達…
「年端もいかぬ少女」などと言うが、どこから年端にいくのだろうか。というか、加齢とともに私たちは「端」にいくのか。どこの端だ。真ん中にいる若者が、段々端に寄っていくのか。それとも、数直線が如く、ある端からまたある別の端まで行くのか。はぁ? と…
歩いていたら、黒い軽トラが停まっていた。黒い軽トラがこの世に存在する事を知らなかった。軽トラと言えば、くすんだ漆喰のような白で、無骨で絵を描いたようなあのアレをすぐに想起するのだが、黒かった。軽ワゴンにありそうな、ふっつーうの黒だった。え…
下書きに使うメモ機能に不要な残存物が増えていたので、データを削除したり不要フォルダに移動したりしていた。今から見返すとよく分からないメモもそれなりにあった。で、今年の元旦に書いた日記の生データが底の方に埋まっていた。全く意識していない状態…
今日の空も青かった。風がめちゃくちゃに強くて寒かったが、気温的な意味ではまあ普通だったのではないか。昨日感じた空の青さに言いたかったのは、裏表がないという事だった。そこにストレートに青があり、それ以外の余分な情報がない。どこかの誰かの、挽…
目が覚めたら部屋が平時よりも暗い。布団から一ミリたりとも出たくないような室温が重くのしかかる。嫌気を自覚しながら耳を澄ますまでもなく、ぴちゃぴちゃという水音が窓を叩いていた。雨だった。ただ水滴がさめざめと降り注いでいるだけなのに、こんなに…
雲が一つもない空を見た。遠くの方は自然の法則的なあれに従って白んでいたが、交差点で立ち止まって頤を上げ、四方八方をぐるぐると見渡すと、そこら中に澄んだ青が延びているだけだった。これが快晴指数10かと、数日前の事を思い出した。恐ろしいまでに、…
TheophrastosのCharacteresを読み終わった。ちっちゃいのですぐ読める。図書館の奥から引っ張り出してもらった岩波文庫版でも相当ちっちゃいので、どうやってもちっちゃくなる。さすがに人のタイプをたった30種で捌き切れないと思うし、実際まだ足りてないと…
業務用のフランクフルトは、ひとつの正解である。なんか肉が食べたいな〜と思うが早いか、油を引いたフライパンに転がして数分炒めれば肉の塊が完成する。手で挽いて腸詰めしたソーセージやウィンナーを噛み切った際の断面に見える、脂肪や軟骨のカケラみた…
今日、世界の真実について一つの確信を得た。紛い物から、鏡に映ったものから、複写物から、真実の一片を知っていたが故に、真理が目の前を通り過ぎるとそれと気が付く瞬間と場合というのは大変多い。大事な事は全て小説や漫画やアニメから学んだと言う人も…
一日中、目がずっとしぱしぱする。花粉症なのか眼精疲労なのか色んなものの複合体なのか分からないが、結構な頻度で瞼をぎゅーっとして目を瞑っている。痒いというか染みるというか、薄膜のように貼った違和感が全く取れない。気温も何度目かの正直で素直に…
「結婚披露宴のデザートはプリンアラモードにしよう!」と思った。昨晩布団に倒れこむ前の事である。結婚式に行った経験は、本当にちっちゃい頃のものなので無に等しく(よく覚えていないがゲロ吐いたらしい)、それゆえ頭の中に結婚式で出てくるフードメニ…
「紺屋の白袴、別によくない?」と思った。ことわざの原義を切り離して、紺屋が白袴を着ている状況を考えても、やっぱり、「紺屋の白袴、別によくない?」と思う。ことわざの原義を切り離した時点で話が変わっている、とか野暮な話は言わないでほしい。いい…
部屋の隅っこに放置していた紙袋をひっくり返すと、タイピンの入った箱が出てきた。いつぞやの機会におまけでもらったものだ。タイピン、挟むやつ、ネクタイとシャツを。私の頭の中にあるタイピンの定義とイメージはそんなものだった。どんなんだっけ、と小…
まだ寒さが残っている。炒め物をした後のフライパンを一度スポンジでさらってから洗剤の泡をゆすぎ、手で触ってみると少なからぬヌルつきが残っているあの現象のように、まだ寒さが残っている。風邪気味が撤退しないので念のため暖房をつけている。3月も尻…