2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
断続的な羽唸りの方向へ、耳の質量が形を変えてうにょうにょと伸びていくかのような錯覚を覚え続ける不眠の夜を乗り越え、朝方にうっすら訪れかけた眠気に手を伸ばした結果再びギリギリ間に合わない程度に寝坊した。湿度の伴わない癒着によって地にへばりつ…
季節ごとに、そのシーズンに因んだアイテムを装備できるならば、暑くなって夏場だなと思うようになると「網戸」を装備したくなる。焼肉の焼き網を想起するからなのか、なぜなのか分からないが、網戸という語感がとても気に入っている。外界に向けて開いてい…
朝5時くらいに手荒れがあまりに痒いので起き出して、お手洗いに行ってハンドクリームを塗り直して二度寝したら盛大に寝坊した。ギリギリ間に合うくらいではあったが相当寝坊した。手荒れは日常の些細なムーブにさえ支障をもたらすのが気に食わないところだ…
部屋に一人でいる時、口に出す時もあるし出さない時もあるが、「虚無を満たしている……」との文字感覚がへばりついて離れなくなっている。頭の中で弾幕みたいに流れたり、衣擦れと呼吸音しかしない停滞の環境音にいちいち耐えかねて水面の波紋を呼び起こすよ…
思いついた事の9割くらいはケータイのメール機能を起動して、下書フォルダの未送信メールに9999文字溜まるまで書き込み続けていて、たまに操作ミスで過去の堆積を開いてしまう事があるのだが、「萩」と「荻」のどちらが「おぎ」でどちらが「はぎ」なのか覚…
昨日も相当に暑かったが、今日も大概に暑かった。体を動かしていようがいまいが、きつく締まっていない蛇口から水がほんのり染み出して、大きな雫を形成してぴちょりぴちょりと流しを叩く時のように、汗腺がだらしなく呆けていて不快指数を垂れ流しにしてい…
古戦場最終日で色々てんやわんやだったので本日分の文字数は翌日に繰り越します。
夕方帰ってきてから、夜に取れていない睡眠の揺り返しを受けて泥のように2時間くらい寝た。一日というカレーライスがあって、その間に夕寝なり昼寝なりを挟んで意識をリセットすると、そこからスプーンひとすくいのミニカレーライスを形成したような気がす…
中学だか高校だかの音楽の時間で、『エーデルワイス』という素敵極まりない曲を、リコーダーで吹いたか歌ったかした記憶が間違いなくあって、ずっとエーデルワイスという、それ以上分解しようもない厳然とした固有名詞か何かと思っていたのだが、ドイツ語を…
3月分の新聞、つまり2ヶ月前の新聞が早くも黄ばみ始めており、物質が劣化する速さをしみじみと感じる今日この頃である。昨日の狂ったような悪天候が嘘のように、ぺろりと晴れて暑いと感じるくらいだった。そろそろ長袖シャツはお役御免となり、衣替えをし…
朝ごはんに卵黄だけを乗っけてやろうと思って、殻を用いた分離法、これが最もポピュラーな方法である、によって白身と黄身を別っていたのだが、あと少しだけ、あともう少しで完璧に分離できると色気を出し、左手に握った殻で受ける角度を調整していると、意…
敵の技とか何かで記憶喪失になった仲間を、みんなで手助けしながら元通りに回復していくストーリーラインは少年漫画で珍しくないが、ここで大事なのは記憶が「喪失」ではあれ回復が担保されている事で、むしろ記憶不全くらいに言った方が正しいかもしれない…
突如MacBookProがイカれて初期化修理が決定し、数々のデータが消える事になり意気阻喪の状態にあるので明日手元に戻ってきてからまとめて書きます。今日は休み! 閉廷!
何を言っているのか分からないと思うが、普段から何を言っているのか分かられていないような気もするので、やっぱり感じたままを純度99%くらいは保証して書く事にしていると今捏造したから書くと、この間ビルのてっぺんをさらに透かした空の向こうに見える…
あまりの質量に押し流されて眠気に屈服しぶっ倒れそうになると、後背に崖を臨みながら、全体重を預けて身体の支配権を放り出したくなる。どこまでも、どこまでも底なく落ちていって、気を失おうとした自覚から滲み出る甘さだけをぼんやりと感じながら背中に…
洗濯されてよれよれになり生地が伸びて十一分袖くらいになった長袖のシャツを着て大手をぶんぶん振って歩くにはずいぶん暑く感じる大気模様になり、従ってそれ相応の格好をせずして下手な運動をするような日向きではなかったわけだが、いくつかの長尺物をバ…
全体的に、甘い匂いがしますよね。突然こう言われた。私は、「はあ?」という顔をした。近くにお菓子の入ったバスケットがあったので、お菓子の話をされているのかと思った。脈絡がゼロの地点からいきなり切り出されると、生理的に生じるリアクションを垂れ…
見られる事によって興奮する、というのは、ある種の真理である。これは何もMM号的な話ではなくて、というかそちらの話に聞こえたのであれば興奮という言葉の色合いに桃色を強く読み込んでしまったからで、そうではない興奮の話をしている。観客のいないパフ…
キャッチコピーが全然キャッチーじゃなければただのコピーであり、キャッチーじゃないならばそれは虚空を一心に見つめて虚ろな瞳で呟いている呪詛やポエムと一緒なので、ある意味一周してキャッチーだった場合と同じように当事者意識を持って観察する事がで…
雑巾の四隅のどこかにほぼ必ずついている、引っ掛ける用の布の輪っかくらいずぶずぶしょぼしょぼの状態だったが、何とか乗り切った。乗り切ったと言うか、乗らなくても良い波に乗ったのだからむしろ自業自得ではあるのだが、乗りかかった船と陸に一本ずつ足…
人の心というのは本当に難しいものだなあと思い知った挙句、心が難しくても難しくした状況はただ刻一刻と過ぎ行くばかりで、心の持ち主の方には何らの斟酌がないので、ああ大変だ大変だ、生きていくのは、いこうとするのは大変だと心の中で叫びながら色々や…
明日の朝ごはんのおかずを買ってくるのを完全に忘れていたので、明日の朝は白ご飯を、いや玄米なので茶色ご飯を食べる事になってしまった。同じ事は大体2回くらいやると飽きるのだが、今までご飯を食べた回数をざっくり計算しようと頭の中で立式してみた時…
夜遅くに出歩いても、夜気の寒さに身を震わせる事がなくなった。ぬるいか涼しいか、ボーダーの上で反復横跳びするような気温が知覚ギリギリの存在感で通り抜けて行くので、これくらいの気候の間に、深夜の川原で寝そべって、ぼんやりと空を見たい。夜空を見…
よく晴れた朝9時くらいに、窓の敷居を超えた陽光の中に手を伸ばして洗濯物を干している時、重めにしっとりしている洗濯物が素肌を擦って腕を軽くしていくわけだが、数時間後には気持ちよく、時にはパキパキに乾く事に想いを馳せると、たまには洗濯物になっ…
思い返すと、外にも出たし知っている人にも会ったはずなのだが、一切の会話をしなかった。彼我共に、私が大してしゃべくる人間ではないという事を諒解している。しゃべくらないわけではなくて、場が整備されていれば不要な事から不躾な事まで幅広く様々自分…
何かを食べる時は、最初の5口目くらい、それがどんな味なのか把握したり思い出したりする過程が一番楽しくて、それ以降は絶対に最大値に辿り着かない、数学IIIでやったlim→∞みたいな絶対に越えられない壁を通り過ぎた後は、継続する同一の信号に対して神経…
思い返すと一週間余りに渡ってまともなものを口にしていないので、最近顔の濡れたアンパンマンよろしく力が出ないよ〜と思っていたのはどうやらそのせいだと了解された。家庭的なトラウマにより、ご飯だけはきちんと食べなければいけないと自戒しているのだ…
記憶の連続が断絶していて、数日前の記憶がぶっ壊れたハードディスクと同じくらい読み込めなくて、そんななので日を経た感覚もなく、カレンダーを見るのさえ疲れるので、見ないままずるずる寝て起きて食って寝るくらいの杜撰で低品質な生活をしていたところ…
最近めちゃくちゃに部屋が暗くて、カーテンレールに沿って洗濯物を干しているから日光が遮断されているからかしら、しかしそれにしても暗すぎないかと思って電灯のリモコンから「明」の指令を発すると、照らされ慣れたルクスが返って来た。手が触れた自覚は…
ネカフェの看板に、「三種類のソフトクリームが充実!」みたいな惹句が書いてあって、確か岡山県錦帯橋に百種類以上に及ぶイロモノフレーバーを取り揃えたソフトクリーム屋があるのだが(にんにく味だけは注文しないように、絶対。約束だ)、さすがにその店…