本は外部記憶媒体であるというのは言うまでもないことだが、何が、どこに、をすみやかに思い出せると、まだ錆びてはないなあ、と思う。無論、思い出せないこともある。ぼんやりした食感や喉越ししか思い出せないことも。大量の鳥レバーが半額になっていたからつい買ってしまったものの、相変わらずどうすればいいか分からない。嫌いよりの食わず嫌いというか、昔嫌いだったけれども今は食えるかもしれないシリーズのひとつであるが、鳥レバーとの私なりの付き合い方はまだ見つかっていない。とりあえず水洗いしてみた。ちんこみたいな部分を強く押さえると、たまに血の塊がぴゅっと飛び出してくるのはおもしろかったが、まあそれだけである。とりあえず臭み消しなどと共に漬けてある。中華風のアプローチで、オイスターソースで照り照りに揚げ焼きな感じにしてみればどうだろうかと考えている。とにかく金がなくなるので、生きるとは何かの罰ではないかとついつい思ってしまう。金の問題というのは、常に頭のメモリをちょっとだけ食っている。そのちょっとだけが、邪魔なのである。
