他愛がない

めぞうなぎと申します。文字の話です。日記が置いてあります。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

よくポストに入っているあのマグネットに電話しなければ

目が覚めたら部屋が平時よりも暗い。布団から一ミリたりとも出たくないような室温が重くのしかかる。嫌気を自覚しながら耳を澄ますまでもなく、ぴちゃぴちゃという水音が窓を叩いていた。雨だった。ただ水滴がさめざめと降り注いでいるだけなのに、こんなにも寒くなるのかと思った。ぞっとしない。床から立ち上る、染み込むような冷気と久しぶりの再会を果たし、お前なんかどっか行けと蹴っ飛ばすために、引っこ抜いていたエアコンのプラグをコンセントにインした。かれこれ5回くらいは「もういいかな」と勘案して引っこ抜いている。そのたびに裏切られていて、私の家のエアコンがメンヘルなのか日本全国のエアコンがメンヘルなのか分からないけれど、どうしても稼働していたいようだ。電力会社は嬉しいかもしれないが。こちらは。どうだと思う、おい、エアコンよ。何度も言っているし、また何度でも言うが、雨が降るとそれだけでただそれのみでQOLが爆下がりする。QOLブラックマンデーである。水曜日だったけど。洗濯物を干す予定だったのに見送ってしまった。降雨時に外出すると、足元が直ちに湿る。どんなにいい靴を履いていようが、必ずある程度の最小値を担保されて湿る。最悪である。最たる悪ではないが、最も悪である事の一つは足元が濡れるだと信じている。まだガタが来ていない、健康体そのものだと思っていたメインの靴の爪先がやたらと湿る。むしろ濡れてくる。20分くらい歩き回ってから、これはいかにどうした事ぞと疑問を抑えきれなくなった。折り畳み傘の庇護面積がいくら小さいとはいえ、その中にカバンも歩行幅も収まるように動いているつもりだ。風に流された雨滴が沁みるにしても、この濡れ方は程度がひどい。おかしい、おかしいぞと思った。広い道に出て、対向者とぶつかる危険性が薄れたため、足元を見ながらぽつぽつと歩く事にした。てくてく。ぴゃっぴゃっ。てくてく。ぴゃっぴゃっ。数歩歩き出しただけで原因が分かった。悪いのは私であって私ではなかった。歩みを前に進める時に、私は姿勢は最悪だが歩き方はまともなので、爪先を上に振り上げて片足を持ち上げる。その際に、靴裏についてきた水が空中に舞い上がり、そいつが再度地面にへばりつくより前に、前進によって落下地点に私の足が滑り込んでいるのだった。悪いのは私であって私ではない。唯一まともな身体所作なのだから、こんなデメリットを伴わなくてもよいのに、とひとりごちた。結局びしゃびしゃになった。