他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

滲んだ血が努力

お風呂が便秘だ。水からお湯に変わるのを待つ間、ぴゃーとシャワーを流しているたった20秒30秒の間だけで、排水溝がもくもくと曇り、水位が淀んだかと思うとゴジラのBGMを響かせながら風呂場の床を侵食していく。埃だか毛髪だか石鹸だか脂だか洗剤だか排水管の汚れだか何だか分からないが、虹色に光っている部分があったり白くくすんでいる部分があったり、汚穢めまぐるしい排水が排されずにとぐろを巻いて居座っていた。風呂に湯を張る事がないから、バスタブの中でいつもシャワーを浴びているのだけど、安全圏の横で起きている惨事を矯正視力で確かに視認してぎょっとした。バスタブの排水口も、俺の身体から流れ落ちたはいいものの流れきれない生ぬるくなったきしょい水が居座って足元をぴちゃぴちゃ濡らしよる。風呂場ですっきりした気がしない。壁に生えたハンガーへバスタオルを引っ掛けておいて、身体を拭いてから床を踏まないようにアクロバティックなスタンスからのジャンプ! たまにミスって床の水溜りにおっとっとと手を付き微妙な顔になる。月曜日になれば解決するから、多分。灰色にくすんだ卵の殻みたいな空をしていた朝、今日は雨でも降るのかしらとそわそわしていたが、別に降らなかったし降る素振りもなかった。いまいちパッとしない日和だったが、気温の入れ食い歯感というか、ぐっと身に刺し込むような寒さの質は、今年初めてのそれだったかもしれない。そろそろ冬将軍がパンピーを駆逐しにやってくるか。まだ分厚い(とはいえ経年により少しく磨り減ってきた事を実感した)パーカーを一枚上に着込んでいるだけだが、そろそろマフラーが欲しくなる頃合いだろうか。昨日髪切りに行って、首筋をタオルで拭かれている時にも思ったけど、俺は今、この人がその気になったら殺される状態にあるんだなと興奮する事があって自分でもよく分からん。結構な急所をすっぽんぽんで曝け出しているわけだし、何かしら思ってもよくない? 髪を切りに行く楽しみの、ほぼ唯一の楽しみだった、「耳元で金属の擦過音が炸裂する事でもしかしたら死に至るアトラクションに乗ってしまったのかもしれない」という主観的ハラハラを感じなくなっていて、つまらんなと思った。あの、そんなわけないけどもしかしたら、みたいなのがよかったのにな。俺は夢ばっかり食ってるな。夢食っても儲からんからな。夢を売る国を運営すれば儲かるけどな。受給者だからよ。