他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

バス停は一日3ミリずつずらせば気付かない

雨が降っていた。ずっと雨が。洗濯物は部屋干しだ。今回回したやつは、部屋干しのお役立ち情報、すすぎを2回やると臭いが出ない、をすっかり忘れて、空気乾燥(機能としてついているが、ドラム缶がぐるぐるしているだけで、本当に乾燥しているのか疑問に思う事もある)3時間の処理しかしていない。大丈夫かな。ともかく、今から風呂に入る分のバスタオルがないので、部屋干しーズのどれかが、きちんと乾いている事を期待するしかない。すっごいばちゃばちゃびちゃびちゃしているし、外に出る用は、夜だったから、ゴロゴロして、いや、寝っ転がっていたわけではないのだが、過ごした。バナナマンのDVDをちょっと観返した。やっぱり、これは、これだけを見るぞ、これだけのために今日一日を用意したぞ、という環境を作らなければいけないなと思った。片手間に見られるものではない。なんだか、画面を見ているだけではもったいなかったので、買ってきた文庫本の残り、ジョージ・オーウェル動物農場』を読んだ。訳が開高健だから買ってきたようなもんである。表紙の雰囲気から、ちょっと、読みづらいかなあ、あんまり気乗りしないなあ、と思っていたのだが、読み始めると、これが、なんとまあ。面白いのなんの。エンタメ的な面白さではない。豚の指導の下、人間の支配から脱却した農場の動物たちが、豚が云々かんぬんで……という話。ネタバレは好かないので全貌を伝えられないのが惜しいのだが、ゆっくりと、傾いて、上に乗っていたものが落ちて、落ちて、ひっくり返って元通りになるような、読みながら、もじもじしたくなる生々しい居心地の悪さがある。ともかく、それほどページ数がないのに、これはもう、たいへんに面白い。開高健に惹かれて買ってよかった。表紙ソデに、「かいこうたけし」とふりがなが振ってあって、おいおい冗談だろと思ってタイプしたら、いつもは1文字ずつ打つのにすんなり変換できてしまった。岩波の短編集の表紙には、「けん」でサインが載っていたはずなのだが。あの、ねっとりして、どこまでも糸が続くような、濃密な文章ではないが、底を覗き込みたくなるような、厚みと深みのあるいい訳文だった。相当の外国語を嗜んでいたはずで、言葉のセンスみたいなものが飛び抜けていた人なのだろう。文庫の後半は、表題作品が終わったら、開高健の解説みたいなものとか、それにまつわるエッセイみたいなものがくっついていた。こっちの方が読むには遥かにボリューミイで、劣らず面白い。いい衝動買いだった。