外に出て空を見上げたら、雲がなかった。筆洗の水みたいに青かった。少し歩くだけで芯から熱が込み上げるようになり、ふざけるな、と呟きながら歩いた。意識があっちに行ったりこっちに行ったり、捕まえたくても捕まえられなかった。でものろのろと、やった方がいいんだろうなあ、これはなあ、多分なあ、くらいのタグ付けのものはやった。一番フラグが立っているものはやっていないしやらないだろうし、どうなるのかしらね。暑いが、窓を開けると、なんとか、ひんやりした空気がだらだらと流れ込んでくる。山の下から半袖っぽいものをなんとか引っ張り出して誤魔化しているが、本格的に発掘と整理を経なければ、あと２週間しか残っていない今月を生き残れない気がする。なにか読む本が欲しくて、でもどうせ小説かエッセイしか買うまい。また、みょうがを山と乗せたなすを食べた。みょうがを食べすぎるとものわすれが多くなるのは、その風味の強烈さゆえである、と文字で読んだことはあっても、現実に経験してみると、なるほど確かにこのクセの強さ、知ると戻れなくなるところがある。お茶漬けとか卵かけご飯に乗せるとおいしい。薬味なので逸脱して味を乱すことは、まあない。
