他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

銃後憂い無し

身体が随分と即物的にできているので、ちょっと美味しいスープができたくらいですぐに嬉しくなって降り積もった塵程度のことは忘れてしまう。人参をものの見事に買い忘れたので、玉ねぎとマッシュルームを放り込んで、生タイプと形容すればいいのか、すでに水分で輪郭がぼやけかかったようなチキンスープの素をふたかけ、やたらとでかい鶏モモ肉を安置して何も考えず煮るだけに時間を費やせば完成した。小手先どころか指先くらいの手間しかかかっていないけれど、それでも十分食える味になるのでスープの素的なあのぐずぐずした物体は偉大である。鶏肉の皮にぶりぶり毛根が埋まったままになっているのも大変この国らしい、てきとーな処理と品質水準の賜物な気がする。これくらいいい加減に、肩肘の緊張をほぐして生きていっても誰も怒らないと思うのに。けれど、やっぱり鶏皮にマイニングされたままの根っこを食べるといやあな気持ちが仄暗く立ち込めてくるので、その箇所だけは丁重に丁寧にナイフで切り除いてお皿の隅っこに放り出した。二度と来るな。それほどひどく煮込まなかったからなのか、それともちょっといいところで買ってきたからなのか、マッシュルームは適度に食感が残っていてうまうまだった。こういう系のキノコはこっちの方が美味いよな。どう頑張ってカリキュレートしても、帰りの飛行機で盛大に重量オーバーしそうだったので、というかするので、これは間違いない、よく分からんが有名で歴史があるらしいデパートに行って、デパートとは言ってもそこまでデパート然とした雰囲気は薄かったけれど、サムソナイトのちゃんとしたリュックを一つ買ってきた。さすがにこれくらいまともなやつを買えば、10キロくらいの荷物を入れても大丈夫っちゃ大丈夫だろう。私はブランドを信頼する方である。信頼されなければブランドであり続けることは難しいからだ。信頼されるためには信頼を得なければいけない。それを製造だったりサービスだったりで獲得していくわけで、そこができている地に足のついたブランドならば金を払う価値がある。適当に背負うだけでもいい感じのフィット具合だったので、これの2倍以上のお値段するモデルを買っていたら俺の背中は幸福感で死んでいたのではないだろうかと思われた。まだ死にたくないのでよかったかもしれない。まあまあ適当にぞんざいに使えて、しかし実用性とそこそこのデザインが両立している製品に弱い。サムソナイト