他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

時もかけました

唐突に、プレイリストにあったので、『サマーウォーズ』を観た。今までの人生において、確か地上波の放送で2回ほど目にしていたはずなのだけれど、あらすじやら細かい点やら、さっぱり覚えていなかった。また、高校の部活の先輩が大変痛くこの作品を気に入っていたのが妙に印象にに凝っていて、もしやこれを観ないのは何かしらの損失なのではないかとの恐れが沸き起こり、目の前にあるしで、唐突に、観た。観終わって、そうだそうだ、そういえばこんなだったと思い出した。どこかの海鮮丼屋が「どうすか! ウチの海鮮丼、イクラ溢れてますっしょ!」と満面の笑みでカウンターからしとどに卵滴る器をずどんとしてくるように、目も眩まんばかりの意欲溢れてあたかも満杯の風呂桶に体をざぶりと沈めたような映像表現が、もうこれでもかこれでもかと押し寄せてきて、そうだそうだ、こんなだったと思い出した。おそらく地上波視聴という事はディレクターズカット版であろうから、生のフルサイズでしゃぶりつくしたのはこれが初めてで、それはもう、ひゃっほうと喝采を叫びたくなる満足度だった。きっと、これを思春期真っ只中に劇場で観ていたら、人生の方向性がもう少しねじれていたと思うので、今ある程度人としての塑像が済んだと言えなくもない、誰かそう言って欲しいようなそうでないような、このフェーズで再び巡り会わせた事によかったよかったと胸を撫でさすり回したい。やりたい事やりました、どうすか、どうすか、という食い気味な姿勢がありありと浮かぶようで、「これをーーーっ! 観ろーーーっ!!!」な旺盛さは、最近どこかで見たものだな、と思い出す。自信満々で物事をぶち込む事に大して私が感じる何かしらのインパクト、この圧を感じられるようにいようという内圧には逆らわずにおこうかね。さて、ここで700字だ。あとは特に言いたい事が残念ながらないので、今日目にした愉快なピーポーについての覚書を残しておく事でよしとしたい。いち。下腹部を露出しているやばいねーちゃんが歩いてきたと思ったのだが、よく見るとその人はウェストポーチの中身を確認していただけで、そしてその中身が白っぽかったために、私の脳内で「いやだ、あの人公衆の面前でぽんぽん晒す御趣味の方なんだわ! きゃあああ~!」という変換が行われただけだったらしい。幸いこの過ちは誰とも共有していないが、共有していなくてよかったと思う方の部類に入る勘違いだった。に。フランス人の家族が近くのベンチに座っていた。去りゆくパパンの上腕後方には、「お父ちゃん」との刺青が入っていた。しかも、理由を求めるのが正しいのかどうか分からないけれど、ガリ版で彫ったような書体で。アームで輝く「お父ちゃん」が、いやに眩しかった。ふたつとは言ったが、もう一つ思い出した。さん。完全なる酔っ払いが、警察官にアールグレイよろしく拘束されて連行されていた。徒手空拳かつ裸足で、ほっぺたが可愛らしく上気して、私としては社会的に色々まずいのではないかと心配になったのだが、アルコールの力とは恐ろしく、すっかり弛緩したようにヘラヘラと笑っていた。あれが死刑囚だったら、どう、なのかね?