他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

名実共に相抱き合い地の底まで

思いついた事の9割くらいはケータイのメール機能を起動して、下書フォルダの未送信メールに9999文字溜まるまで書き込み続けていて、たまに操作ミスで過去の堆積を開いてしまう事があるのだが、「萩」と「荻」のどちらが「おぎ」でどちらが「はぎ」なのか覚えられなかったから考えた「獣奥義アニマルパンチ、秋はおはぎが美味しい季節」は何回見てもよく出来ていると思う。これを考案してしばらくしてから名字にどちらかの漢字を持つ人が現れたので、咄嗟に思い出して間違えずに読む事ができた。めちゃくちゃ便利である。それがどうでもよくなるくらい、めちゃくちゃに暑い。めちゃくちゃに暑いわけではなくて、ただ暑いのだが、グラデーションを描いて段階的に身体を慣らしつつ不可避的に気候に順化していくのと、グラデーションの中間値をぶっこ抜いて始点と終点のビビッドに突然全身を晒されるのでは天と地ほど違う。天候の話をするにあたっては、一息に一万円をもらうのか分割して一円ずつもらうのかを迫られると後者を選びたい。外に出て、日向のルクスを感じるだけで目が潰れ、冷や汗が濾し出される。暑いと言っているのに。ぺと、ぺと、と追いすがるような暑気ではなく、全身で抱きすくめられるような途切れ目のない暑気だ。う、うわああああとパニックになって身体をよじりじたばたして振り払いたい欲に駆られるが、そうしてしまったが最後、発熱と発汗の永久機関が起動する嫌な音が聞こえるので、じっと目線を下げて唇を噛み、視界を涙で潤ませながら黙々と足を運び続けるしかないのだ。いや、視界が滲んでいるのは陽炎のせいかもしれない。ほら、あそこに陽炎が出てますねと話題を振ると、え、どこですか、いやあそこですよ、ほらあそこんとこ、は、はあ? 全く話が通じず変な空気に帰着した覚えがある。せっかくよいお値段がした椅子も、小市民が出せるよいお値段なんてたかが知れていて、暑くなった時の事なんて微塵も考えていなかったせいでパチモン人工皮革なので、通気性が最悪であり、早くも座っている時にお尻が蒸れ始めている。家にいる時間の90パーセント以上は椅子に座っているから、これはのっぴきならぬ一大事である。図書館に行くと、おずおずとした勢いで冷房が起動されていて、随所から染み込む外気と機械的な冷気が渦を巻いて対流し溶け合っていて、館内の人間が放つ熱もねじれて奇妙な肌触りがした。体調を盛大に壊しそうな気がするので滋養のあるものでも食べたいと言いながらまともな飯を食う元気も蒸発していく。