他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

排し排される場所

飛行機の窓から外を見ると、綿埃の米櫃みたいである。ひとかけらこぼす時の分量くらいとか、まだしゃもじで乱されていないお披露目ぴちぴちの瞬間とかが、一度として同じ光景はないだろうバリエーションをもって展開している。雲のレイヤーが切れる折には、ぽこぽこと間断的に口を開けた湖らしき水たまりとか、隠毛も顔負けなくらいうねうねとねじくれている山道ハイウェイとか、色々なものが見える。たまに海洋にぽつねんと浮かぶ島も見えて、確かに地理地図は嘘をついていないのだろうなと察される。片道の乗り継ぎ便までも半日くらいうすぼんやりと座席に腰を下ろしているだけで暇オブ暇で、目前のディスプレイの中には食指がもぐもぐするような映画もなかったので、Fall Out Boyのアルバムを少しだけかじる他は堕に落ちて眠る他するべき事は見当たらない。数分くらい気が向いて雲を臨んだり海が海であることを確認したりするより他に。寝遅れないように徹夜で空港に向かったのでしこたますこぶる意識のシャットダウンを貪るのは喜ばしいのではあるが、これ以上寝ると頭が甘白く痺れるあの固有な感覚で意識野を塗りつぶされてやれなくなりそうなので無為を無為無策に相手取る事にした。目には目を、歯には歯を。これを敷衍すると同年代の恋愛しか許されないような気がしてくる。著しく、気の迷いであり気のせいだが。あるストイックな状態に置かれて、やる事がなく意識がムズムズすると、あれやこれやがやりたくなって、なるほど私はあれを好んで嗜好していたのだなと自覚が強まる事しばしばである。成田空港構内に、朝8時から営業しているゴンチャがある事を初めて知った。あんなにならばなくてよさそうだし混まなそう。まっこと、現実は時と場合を選ぶものだ。手荷物検査場で、彼女のホットパンツを下着が見えるほど、臀部肉がまるまま半分見えるほどたくし上げて尻を揉み軽くスパンキングする男がいた。彼女と二人で、イチャイチャした空気感のカプセルの中で笑っていた。世の中は広いので。