朝も早くから、玄関先の工事は始まっていた。さすがに、石を打って音を響かせるようなネイティブな事はしていなかった。今日は、今年度という期間で捉えて、一番忙しい日だった。とても。とっても。とぉーっても。おいも。買ってきた発芽米、洗わなくていいらしいし、白米を炊くのと同じコースで出来上がるらしいので、そこは大変評価できるところだなと思ったのだけど、炊き上がったものと明太子を食べ合わせてみると、どうにも味がボケているというかピントが合っていないというか、食べつけている玄米と比較すると、米としての魅力、食べ物としての評価が全てを下回る、発芽米の耳慣れなさとそれに伴う新奇さにおんぶに抱っこされたなんとも言えない何かである事が分かった。一体何なんだろうな、あの薄茶色くてべちゃっとしたでんぷんの塊は。明太子も記憶より随分とパンチの薄い味だったが、発芽米がそうでもないのか、明太子がそうでもないのか分からない。調子がよくないので……。駅に向かうまでの途中を思い出すと、ずいぶんと人が増えたなあと思う。増えたというか、回復したというか。見渡す限りマスクをしていない人の方が少ないのだが、今日も今日とて順調に感染者は増えているらしく、第二波は問題なく秒読みな気がする。電車の中は、人が少しだけ増えたものの、座ろうと思えば普通に座れる程度で、ほんまにこれが電車かと思う。渋谷に行ったが、人がいっぱいいた。人がいっぱいいなければ渋谷という気がしないが、人がいっぱいいるのはよくないのでアイデンティティを保つのが大変なんじゃなかろうか。警官が3人くらい、徒党を組んでうろうろパトロールしていて、何を警戒して巡邏していたのか。マスクをせずに咳をしまくるやつとか? JR山手線前の広場には、へんてこりんな、奇矯な、怪しいものだけに反応する薫香でも湧き出しているのか、今日は特別キテレツな集団がいた。コロナはただの風邪、密になって団結しよう、などの、お腹いっぱいになりそうなスローガンが書かれた幟を立て、サクラなのか本物の素人なのか判別のつかない兄ちゃんにマイクを握らせ、党主だか偉い立場の人だかが論破なのか誘導尋問なのかをしていた。三脚を立ててスマホでその光景を舐めているスタッフらしきものもいたので、YouTubeでストリーミングでもして「パワー」を知らしめているのかもしれない。なんというか……。もう……。家に帰ったら、敷石の敷設が完了していた。敷設という言葉の横に図説として添えたいくらいに敷設だった。