他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

モダン縮地法

公式情報を積極的に追っているわけではないので、昨日東京03のコントでも久しぶりに観るかぁ〜と思って公式チャンネルを開いたら、リモート単独公演、という絶妙に見慣れないし聞きなれないタイトルのついた動画がサジェストで表示された。言わんとする事は分かる。リモートで単独公演をしたのだろう。え、誰が? 何が? 何かが? 東京03だった。特徴的なワードで検索をかければたちまち辿り着けるはずなのでURLは移さないが、zoomで東京03の各メンバーと音楽班が一同いちルームに会し、視聴者はそのルームに参加してリモートで「単独公演」を楽しめたらしい。おわぁっ、と思った。そんな面白い事考えるのかと。小林賢太郎は、劇団カジャラの公演が中止になってしまったため、noteで各地公演のあいさつと、定期的にラジオコントを公開する事にしたという。アプローチがずいぶん異なる。テレビジョン的(「生放送的」と言ってもいいか)であるか、そうでないか。小林賢太郎は、おそらく、狙った通りに完成した成果物を自分の理想とする在り方とルートで届けたい人だから、そうしたのだろう。東京03の方は、YouTubeの公式動画のコメント欄は公開されているし、なんならリモート単独公演もリアルタイムでコメントを打つ事ができたらしい。小林賢太郎が観客からのリアクションを得る時に最上だと思っているのが目の前のお客さんの笑い声、拍手だと考えていて、これは文字や言語化する前の一番シンプルでピュアな衝動で、それを生で拾い上げるのが、確かな手触りとして嬉しいのだと思う。小林賢太郎という匠が作り上げた絶品の有様に対して、観客は主観的に鑑賞する術がない。ただひとつ、腹を抱えて笑う以外に(生で観ると本当に腹筋が辛くなるほど笑う、それくらい小林賢太郎の書くコントは面白い)。どこかで読んだ、ラーメンズのコントには観客の居場所がない、という評論に、確かに納得する部分があった。翻って、東京03の方は、実際の公演の時にもチャレンジ企画のようなゴールのない演目が含まれている。リモート単独公演の前説で言っていたが、感想をSNSなどでシェアしてくれると嬉しいという。こちらはかなり、楽しんでくれたんだよかった〜と嬉しさがこみ上げる、有機的な感じがする。小林賢太郎のスリムな無機質的なスタイルも、無論否定するものでは全くない。ただ、コンテンツを届けるにあたって、採用するアプローチの違いを考えると、動く時のイデオロギーみたいなものが、違うのだなと思ったのだ。共通項にバナナマンがあるので、3組合同公演してくれないか。ぜっっっっっったいにめちゃくちゃ面白い。で、晩飯を食い終わった後、Twitterで流れてきて、ムムム! と唸ったVtuberに関する論考があるので最後にこれをくっつけておく。容赦のない単語選択だが、それゆえに本質を突いている。

https://not-miso-inside.netlify.app/blog/better-stop-watching-vtuber/