他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

草履の宝物庫

試しに空調を止めて、換気のために窓を開けてみたら、人間の存在する空間みたいな感じがしてきた。冷たい空気は、肌触りというか、それを知覚する時の不快感というか違和感がある。家電量販店とか、デパートとかの前を通り過ぎると、スーパーの鮮魚コーナーも負けそうな、阻害的な空気の塊がずっと流れ出している。今は、感染防止のための換気で入り口のドアも開け放されたままだから、余計に。汗をかかない方が気は散らないが、汗をかいているのかかいていないのか分からない微妙なラインにいると、頭の上に抜けたままである意識も、ちょっとは地に足が付いているような気がするしそれは本当にただの気のせいな気もするし。玄関にできた、生ゴミと蠅の狂宴がもたらした災禍の後始末をした。したというか、70%くらいまで実行に移したというか。片手鍋になみなみの水を入れ、めちゃくちゃに沸騰させて、適当に玄関にばらまいただけである。触れた端から、だいたいの汚れが剥がれて流れていくので、見ている分には面白かった。ちょっと残ったので、何かしらの手段を講じて取り除かねばならない。なぜ跡が黒いのか、これはちょっと分からないが。洗濯物を干した。少しゆっくりの洗濯スパンになってきた。どうせ干したらすぐ乾くのだから、晩にバスタオルが必要になるその日に回せばいいかと深層心理で考えているのではないか。少し多めに洗剤を入れたら、洗濯機の蓋を開けた時に洗剤の匂いがした。水の匂いというのか、洗濯物が持つ独特な香りがほとんど感じられなくなったので、あの洗剤はえらい。確かそこまで高くなかった、ような気もする。洗濯物を干し終えて、槽がからになり、お手洗いに行く時に洗濯機の横を通り過ぎると、たまに、水の腐ったような匂いがする。横にある風呂場は特にすごい。たまに妄想に引っ張られた匂いを嗅いだような気になるので、著しい気のせいかもしれないが、しかし腐水の匂いが確かにする。その匂いを嗅ぐと、夏だなぁと思うのだが、こんな夏の感じ方よりもう少しましなのがあるんじゃないのかと思うところもある。いい匂いではないし、いい気分にもならないが、そこで一瞬だけ現実に触れる気がする。普段は幽霊みたいなものだから。高校生の時すでに、漢文の先生にそんな事を言っていた。ずっと、魂が身体から抜けて、ずれているような感じがすると。その辺の事を思い出したら、なんか元気が無くなってきたので、どっかで晩御飯食べてこようと思う。