山本七平『「空気」の研究』を読み始めた。必ずしも研究者ではないようだが、ものすごく理路整然として、物事をすぱっすぱっと切り分けてみせて、聡明な人なのだろうなという印象がすごい。西尾維新の小説にロジカルの権化として出てきてもおかしくないかもしれないくらい、そうである。そして、この本で取り上げられている、問われている、ずっと中央にある事が、書かれた当時と何も変わっていなくて、奥付を2023年に書き換えても問題ないのではないかという気さえしてくる。日本を覆っている、覆い続けている問題は、それともそれを抱えている人間が、なーんも変わっていないらしい。あとは……。特にないかもしれない。テレビで流れていたコント番組を聞き流しながら、くそ、これでユーモア感覚が「醸成」された人間とは絶対やっていけねえわと思った。絶対無理だ。日本語がおかしいところもあった。世界に非人称的校正システムがあって、私もろとも断罪して大体のものを轢き潰してほしい。
