他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

バス停横丁

出汁用の鰹節を買っていたので、それで出汁を取ってみた。出汁用じゃない鰹節があるのかと問いたいところだが、それなりにクサクサしていて、尖っているところもあったので、食べる用ではないなという感じで、食べる用でないなら何だとなると、それはまあ出汁用になるのだろう。まともに鰹出汁を取った事がなかったが、その経験がまともにある方が少ない気もする。湯が煮立ってから2分くらい強火で煮る、それから鰹節が湯の中で緩やかにくるくる回る程度の火加減で3分程度煮る、最後に火から降ろして(IHなので電源を落としただけだが)3分くらい待つ。これで、何かしらの特長を備えた液体が得られる。水の中に、砕けたり粉々になったりな鰹節が乱舞しているので、適当なザルやなんかがあると楽だと思う。すぐに思いつかなかったので、洗い場で干してあった茶漉を使ったが。料理番組を観ていると、出汁を取った後に清潔な手拭いで濾していたりする。キッチンペーパーでも代用できる? んだったかな? とにかく用の済んでしまった鰹節を除去できればなんでもいいため、他にも手段はあるのだろう。おいしくないわけではなく、味がないだけだから、そのまま鰹節殻も食べられる事には食べられる。私は出汁を取った後の昆布も食べるから、同じようなものか。鰹出汁は、モノにもよるのだろうけれど、尿みたいな色になる。タッパに移して粗熱を取っている光景は、でかい採尿カップみたいだった。標準的な時の、黄味がかったレモネードみたいな色だ。それに出汁用の昆布を突っ込んでおいて、鍋を煮る出汁にした。めちゃくちゃうまかった。鍋キューブの鶏白湯を一個ポイと入れたのだが、その味がどっかに飛んでいくくらい、正体不明の澄明な「うまみ」みたいなやつが味覚に立ちはだかってきた。味の根っこの方と真ん中あたりが、存在感のない、しかし手応えのある何かで硬くしっかりと支えられていた。考えられる原因はそれしかないのでほぼ間違いなくそれなのだろうが、鰹と昆布の出汁であろう。味の素とかよりも、もっとストレートに味が整っているというか、解像度が高いというか。うまい出汁は永遠に飲めそうな幻想がいつの間にか頭の中にあるが、おそらくうまい出汁はいつまでも飲めると思う。代替手段が数多く現れて、達成手段は簡便になったわけだが、しかし手間をかける価値は未だ変わらないものなのであるというのが本日の発見だった。戦争はどうなるんだ。