他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

暑天

理由は不明だが、ズボンの右ポケット付近がぱきぱきになっていた。あんまりぼーっと歩いているものだから、昨日の買い物の帰り、誰かに精子でもひっかけられたのかと思った。それぐらいぱりぱりしている。糊の効いたワイシャツくらいぱりぱりしている。これは嘘だ。糊の効いたワイシャツについて体験を持たない。買ったばかりのそれがそうなのかもしれないが、どうなのだろう。ワイシャツがぱりっとしていたり、スラックスのなぜか真ん中にアイロンの折り目がついていたり、それが重んじられている理由がさっぱり分からない。特に後者は意味不明だ。スーツという、形式と文脈をただでさえ押し付けてくる服に、それ以上の要素を求めるなど、一生理解の及ぶところではない。さすがに誰かに精子をかけられたのではないだろうから、なんとなーく昨日の事を思い出すと、帰ったばかりの時、確かにこの場所が濡れていた。牛乳の結露が原因かと思ったが、もしそうならこんな事にはならないし、そもそもあれほどの面積が濡れてはいなかったはずである。すると、一番下に敷いていた、豚ロースのトレーから滲んだドリップがトートバッグを貫通し、ズボンを濡らしたのが最もありそうな線である。生肉の汁が乾くとかぴかぴになるのかどうか知らないけれど、ひとまずの結論としてはこれであるとしておく。何か書こうと思っていたけれど忘れた。ひとつの事を書こう忘れまいと思っていると、別の事を忘れる。机横の壁に、切実にやる事を書き残したホワイトボードが必要とされている。私は共感能力とか、他人に対する想像力がないのだろうという話だった気がする。ない。もなかにおけるトロピカルジュース的要素くらいない。汲み取るという事がよく分からんので、全部書面にして提出してほしい。世界で一番かっこいいものは何だろうかと考えた時、白い紙に黒インキで印刷された文字だと思った。これがいっちゃんかっこよろしわ。文章を読めば、その人がどういう人となりか、までは全部分からないけれど、私がまともに向き合える人かどうかは分かる。理由は不明だ。ちゃんと書いたものはそれが滲み出る、という話かもしれない。なので、口語ではなくある程度姿勢を正した散文で、全部、あれこれやりとりできる世の中だったらいいのにね、と思った。夢は見るだけタダだ。想像力が許す限りの遊園地なのだから、テーマパークに行く必要は必ずしもない。自分という鉱山がいつ枯れるかは分からないけれど。