他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

呉越同舟に見る婚前交渉の有無とその是非について

電柱に登ってみたい。理由はない。電柱に登ってみたい。そこそこ高いところから、そこそこの眺めを得たい。ごみごみと密集した住宅街なので、電柱の助けを借りて多少高度を上げてみたところでさしたる絶景は得られないと思うのだが、電柱によじ登るという行為に満足した後、ふううと一息つきながらぼうっとしていたい。銭湯のでっかい煙突でもいい。アニメくらいでしか見なかったが、家の近くにある銭湯の煙突は、根元に立って見上げると本当にでかい。東京タワーやスカイツリーは、あまりに「高い高い」ともてはやされ高い高いしていたので刷り込まれたイメージのパゥワーが異常に強く、実物を見てもしょぼいなとしか思わなかったが、比較的何のイメージも抱いていない煙突に相対してみると、その物質としての質量・在り方に圧倒される。でかいものはでかい、それが真実である。大艦巨砲主義なんて、そんな、幼稚な戯言机上の空論をエゴで肥大させたものでしょ、と考えていたが、これはきっと私が生で、生活の職業の生命活動の場としての船に乗った事がないからであって、実際に戦艦に対しての経験知を持っているならば、でかい方が強そうに見えて強いのだと考えるだろう。巨躯の体育会系が目の前に立った時、問答無用で萎縮するのと同じである。大きい事がいい事かどうかは知らないが、大きい事がすごい事であるというのは分かった。よくもまあ毎月毎月そんなに書く事があるなとゼクシィの電車吊り広告を見るたびに思うのだが、広告下部余白に見慣れない文句がそっと添えられているのに気が付いた。原文をそのまま引っ張ってきてみる。「好きだから、好きでない時も、あなたといたいと思いました。結婚するとかしないとか、それよりもただ愛してる。」以上である。「????」と思った。結婚情報誌なのだから、タテマエだけでも結婚を礼賛してくれないだろうかと思った。お金のかからないウェディング特集を組んでいるのはお前達じゃないのか。賢いお金の使い方BOOKを付録につけているのはお前達じゃないのか。好きでない時に、好きでないやつといたいと思うのか? 両親が互いに疎みあっている光景を見る子供の気持ちになれ。好きじゃない時は一緒にいないでくれ。好きじゃない時が来ないようにどうにかしてくれ。好きじゃない時が来ないと一抹でも思ったから結婚するんじゃないのか? 分からん。その側にあった、かるたに惹句を記した形式のJR時刻表の広告に紛れ込んでいた、「うれしいな/お年玉で/時刻表」も分からん。分からん事ばっかりだ。