他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

暗夜ネオン格子

あるマンションの窓が、外壁から一段くぼんだところに枠があって、そこにはめ込まれているタイプだった。遠目に見ると、巨大なUSBポートが地面に突っ立っているような光景で、少し面白かった。10×2のタイプなんてあるのだろうか。世の中には、想像もつかない需要と供給があるから、ものすごいモグラ叩きみたいなUSBハブがあるのかもしれない。ごくごくたまにMacタッチパッドが言う事を聞かなくなるので、マウスでも買おうかと思い、ラクできるやつがいいなとビックカメラを見た時にエルゴノミクスマウスというやつを見つけた。エルゴノミクス椅子とかシャーペンは知っていたが、いやまあ確かにあるだろうが、エルゴノミクスがマウスにも応用されているらしかった。何かの操縦桿みたいな形のものが多い。有線も無線もあるし、従来のカチカチ音を伴うタイプも静音タイプも取り揃えられていて、マーケットってすげえなの感がある。惜しむらくは、ブラウザバックやファンクションを割り当てられるキーが、MacOSに対応していないところである。そんな狙い撃ちしなくてもいいじゃあないか? そこに手が届けば、片手で全てカタがつくから完璧だったのに、一方的に画竜点睛を欠かれた感が否めない。Macの互換性というか、融通の効かなさには踏んづけたくなるものがある。マシンとしては優秀なくせによお……。窓際で物凄い散らかり方をしていたビニル袋を片付けた。と言っても、近辺に放置していた紙袋に、雑に折り畳んで押し込んだだけである。とはいえ、ビニル袋は実際はともかく視覚的質量にかさばるものがあり、歪んで波打った平面もどきが無秩序に積み上がるよりは直方体の中に抑圧した方が視覚的ストレスが減る。ほぼ同じ理由で、溜まっていた牛乳パックの山も切開しひとつのマスにした。しばらく有価無価問わずゴミを捨てるのを忘れている。有価資源はある。無価資源はない。無価なら資源ではないのか。まあ、そうか。抜き書きというのも能がないが、新渡戸稲造の本にあった文章を自分のために置いておく。

 

 先を見ずにその場にて一時の快を貪る極めて短慮な者には、内容のさらにない雄弁を揮ってみたり、あるいは大声一喝、相手の人には痛くもない讒謗や冷評を浴せかけて、ドラマチックに喝采を受けて嬉しがるは我が国民性の一弱点である。言葉をかえて言うと、物にノボセ上がる、逆上する性質がはなはだ我が同胞の間には広がっていると思う。ゆえに何か大きな響のよい言葉を用いれば、己れを忘れて飛び上がる連中がはなはだ少なくない。たとえば仁義のために死するとか、国家の重任を双肩に担って立つとか、邦家のためには一身を顧みず、知遇のためには命を堕すとか、その他数多くのcatchword〔キャッチワード〕のためにその用語の内容や真の意味を一時忘れる者が甚だ多いのみならず、一身の上についても、実に詰まらぬことに逆上する傾向が多いことを目撃もし、また恥ずかしながら自分が経験したことがたくさんある。