他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

悪鬼羅刹お手製

感情の機微が記号に集約されるのが気に食わないので、絵文字は使わないようにし、笑いさえ括弧含みにしないようにしている。各人好きにやればいいと思うが、自分としては紋切り型による想像力と可能性の排除をきらって使わないようにしている。定型を使えば、伝達は早くなるしテンプレートが通用するので便宜は大変よろしいと思うが、そこには咀嚼がない。喉越しと味わいは別のものではなかろうか。慣れたものにはどうしても傾けられるリソースが減ってくる。自然な性としてそうなりがちだと思う。字面に関してだけは、まだ存立と実在を感じられる数少ないフィールドなので、その輪郭を手ぬるく済ませるような真似をしたくない。各人好きにやればよくて、私が好かないので自分の好きなようにやっているだけである。どうしても集合の「AかつB」みたいな部分を感じる事が少なく、隅へ隅へと蟻の穴を掘り進めてきたからか。たまに感じる、ズレの錯覚みたいなやつを払拭できないまま飯食って寝てますね。うん。また晴れていた。雲が少ない。何日連続だ。シーツを干した。ハンガーが一本足りなかった。何本か、重いバスタオルをまずいかけ方して歪んでいる。新調してもいい。新調しなくても使える。問題は頭数。日が落ちて空気が冷えてから取り込むと、長大な布の流れが冷たさを表面に流してのしかかってくるので、冷たい。寝る前に取り込むとぞっとするほど冷たいので、早めに取り込んでおくに限る。ハンドクリームが染みた黄ばみや、原因不明の黒点はいつからかずっと落ちなくなっている。敷き布団のシーツは、裏に「上」とサインペンで書き込まれてあって、そっちが頭を乗せる天であり、反対側が足を投げ出す地である、というマーカーになっている。この上の字には力が抜けていて、シーツを剥ぐごとに目にして、その度に、ふへ、という息を漏らす。流しを掃除したいが、キノコと同じく買ってくるのを忘れたままだ。メラミンスポンジはいい。メラミンスポンジがいい。汚れを落とす能力が高い、引いては汚れが付着しまくってたちまち汚くなるのには少し閉口するが、クレンジング能力は一級品だ。フライパンで焼き飯を作りながら、醤油で適当に調味して生卵を割り入れ、いい加減に溶いて全体に行き渡らせたところで、立ち上ってくる匂いの正体に頭が割れた。卵かけご飯だ。卵かけご飯の匂いがする。ご飯に卵を入れて、醤油をひとさしして混ぜる。手順の前後こそあるが、まさしく部分的にはまごうかたなき卵かけご飯だった。