他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

粥・ストロース

今回の注文で初めて置き配されたが、なかなか便利だ。サインを書かなくてもいいし、わざわざ玄関まで出向かなくて済むし。チャイムを鳴らしてから出てくるまでの虚無時間がなくなるので、双方にとってwin-winと言えるのでは。ただ、ひとつびっくりしたのが、置き配された事にさっぱり気が付かなかったという事だった。家の戸口に荷物をそっと立てかけるには、門を開けなければいけない。ちっちゃな門ではあるが、門は門である。ひとつやふたつ、多少の軋みがある。それが全く聞こえないまま、Amazonから配達完了のメールが来て、玄関ドアを開けてみるとそこにぽつんと梱包エアバッグがあるのだ。どれだけスニーキングしているんだと思った。それとも、もう、双方を煩わせない、静かな配達メソッドが確立されているのかもしれない。それにしたってすごいと思うけれど……。伊坂幸太郎の本は、装丁に恵まれている。たまにゆるいイラストみたいなものがあるが、あのタイプではなくて、モダンタイムスとかSOSの猿とかみたいな、ごちゃごちゃになっているがデザインとして統一の取れているものとか、象徴的なイメージひとつをでんと据えてあとは抜けているようなものとか、カバーを覚えているものが多い。ものとしての本がいい。並べて壁画にして、トイレに飾ってもいいくらいに。注文したのは全部来たので、週末にしこしこ読んでいこうかしら〜と考えている。筒井康隆の選篇は、表紙がすげえキモいのでいい感じだ。ぺらぺらめくったら、特徴的な目次と扉をしていたので、これまた見るところがある。人間に少しだけ帰れそうな気がする。するだけかもしれんが。燃えるゴミの袋がぱんぱんになったので、縛って玄関に放り出した。流し下の野菜エリアに安置していた人参が、30%くらいカビていたので患部を適宜切り落として冷蔵庫に避難させた。買ってきたすぐその足で、袋の中に水滴が見えたらキッチンペーパーで対処しておいた方がよさそうだ。カビのもわもわした質感を感じると、底知れぬ居心地の悪さというのか気持ち悪さが湧き上がり不快だ。玉ねぎが終わりかけの時に放つ、甘いシチューみたいな匂いとてろてろした手触り、壊死したような色合いも。延々河原を歩き続けたいが、家の近くに川は流れていない。そもそも最後に川を見たのはいつだ、と記憶を繰り始める羽目になった。本当に、いつだ? ないところにはない。出かけるならば、誰かに連れ出されたい。