他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

銭湯インビジブル

夏の予定が決まりそうである。というか、だんだん滲み出してきた。私個人のでは全くなくて、しかしまあどうせどこに居ても何もしないのだから、第三者が私の人生に予定を突っ込んでくれるだけありがたいのかもしれぬ。洗濯物を干した。よく晴れていたから、取り込んだらさぞ乾いているだろう。日本の真夏は、タオルを干すとガチガチになる。振り回して人を擦ったら、ちょっと心が傷つきそうな硬度を持つ。畳むと、みしみしと折れるような音がするので、どきっとする。そういうものだ。家の前の、下水なのか排水溝なのかの蓋に、白いテープが貼ってあった。かなり前、いや、少し前か? とりあえず、前の事だが。玄関の門を出たすぐそこ、足の下にあるそれは、良く言えばポイ捨ての名所であり、実に、と言うといささか言い過ぎだが、そこそこ多種多様なものが捨てられていた。ポストに投函されたチラシとか、公共料金の料金通知とか、花とか、米とか。米は実際に捨てられていて、昔書いた記憶があるが、ちょっとやそっと、食べきれなかったおにぎりを押し込んだとかそんなもんではなく、何キロか余った米をずざざざざと流し込んだかのような、並大抵ではここまでの米が遺棄されているのは見ないほどに、小山を成していた。あとはタバコとか、その空き箱とかもあったか。そして、門の脇に生えた、名前も何も分からない、得体の知れない2メートル以上ある植物が花を咲かせていた。この花が、よく分からん花で、黄金伝説でよゐこが作っていたちねりみたいな、ちっちゃくてかすみたいな花びらをぴらぴら落として、家の前が白くなっていた。おそらく、大家さんかその娘かが、これで排水溝が詰まったらいかんと思って目張りをしたか、あるいは、家の前のそこにもりもりと不法遺棄が為されているのを見て、やっぱりこれはけしからんと思って目張りをしたか、そのどちらかだと考えている。私とは違って真面目な人なので、や、私も不真面目ではないが真面目ではない、そういうところに気を遣ったのかもしれない。その結果、玄関を出ると、白いコンセントの穴みたいな図像が、その白白しい白で訴えかけてくるので、気が散ると言えば気が散る。気付かないうちに、その細かい花も散ったのかな。よく見ていないので分からないけれど。好きだったが、最近行っていなかった店が潰れていた。もう大盛り以上が食べられない身体になったっぽいので、適正量で食事として楽しめるかと思ったのだが、その願いは果たせなかった。願いと言うほど、大層なものでもなかったかな。