夏には花火があるという事を、さっき思い出した。今夏初めて思い出した。8月のどこかのタイミングで、宮島(だったと思う、水中なんちゃらという文言がくっついていたような記憶がある)の花火大会がもう開催しなくなる的なニュースを目にしたはずだが、その時はそれとして認識していなかった。花火、そうか花火か。ベッドに寝っ転がりながら読んだニェンイベントのシナリオで爆竹が出てきたが、あれは花火の上位概念なのか、それとも従属概念なのか。それにしても、あの花火大会は中止になるのだな。最後に花火大会に行ったのは、どっかのなんかの花火大会で、その時読んでいた本を覚えている。何年前だ。5年くらい前か。母と弟と行った。かなり早めに行ったので、ものすごく暇だった。そうか、あれから5年か、と言いたいところだが、別にそういう気持ちはないし、やっぱり5年という歳月の重さを測量するための情緒がない。まだ雨が降っている。少しだけ止んでいる時間があったが、それも一瞬だけの事で、ずっとばちゃばちゃしている。4日、それとも5日? ぶりくらいに家を出て、食べ物を求めて近い方のスーパーへ行った。途中で銀行の記帳をして、思ったより金が入っていたが、しかして思ったより金はなかった。月半ばくらいまではこれで食っていかなければならないが、まあ大丈夫だろう。スーパーの野菜売り場で、連日の長雨のためレタスの入荷量が減っていますというお知らせが貼ってあって、あ、雨降り過ぎだと感じていたのは間違いではなかったのだなと分かった。あんまり降りまくっていて、なるほど、農業とかその辺りは頭が痛い問題なのか。太陽の光を最後に見たのが、それこそ4日前? とかではないか。とにかくどんよりぬらぬらとして、頭が痛くて重くてしょうがない。特に寝起きが鈍重で、身体がどっぽりと持ち上がる感触がある。夏ももうその姿を消していくのか、それともただ天候のせいで気温がそうなっているだけなのか、布団を半身にかぶせるくらいしなければ、くしゃみのひとつやふたつしてしまいそうだ。これでこの雨雲が散って、太陽がカムバックしたらば、またうだるように文句を捏ね回すものかもしれないけれど。調味済みの鶏肉を焼いたが、生焼けだった。調味済みの食料にうまく火を通せた経験を思い出せない。だいたい、偽物じみた濃い肌色の下に、作り物みたいなピンク色が残っている。あのピンク色は、嘘の色で、本当に肉を食べているのか分からない。