他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

暑さまけ

暑かった。爆裂な、全てが輪郭を放棄するような暑さではなかったが、暦に照らすと早過ぎる気がした。白のワンピースに麦わら帽子、虫取り網の出立ちの姉妹が歩いていて、特にその虫取り網を見て、ぐわっと思った。イメージとしての夏が姿を取って歩いている。心の中のカレンダーが7月、8月までぱらぱらと進んでしまった。はや夏バテの症状を訴える人もいた。最近読んだ小説に「暑さまけ」という言葉が出てきて、何かと思ったが夏バテをもっと素直に表した言葉だ。暑さまけ。剃刀負けと同じだ。いい言葉だなと思ったので(中身はよくない)覚えている。夏バテよりもかわいい感じがある。中身はかわいくない。夏バテだと、夏というものが含むもの全てに対してくたびれている感じがあるが、暑さまけなら、暑さに負けているだけなので、他の要素に対しては打ち勝てるような気がしてくる。虫取り網やひまわり、縁日の屋台やかき氷に勝っても仕方がない事ではあるが。あるいは、バテ、ちょっと体力スタミナが切れただけで、本当はエネルギーがあるんですよ、ちゃんとしてるんですよ、言い訳がましいのを、暑さまけと言って、潔く負けを認めているところが新鮮だったのかもしれない。夏は強大だ。冬も強大だが、暑さに対しては引き算で対抗できない。自然という大きなものとの関係を、従容と認めるおもしろさがある、気がする。