玄関にずっとゴミが置いてある。ずっとと言ったところで、一週間くらいだったような気がするのだがそこはもう曖昧で、朝起きても、捨てに行くのだるいなあ、と思ってほっぽり続けている。冬だから腐敗臭とか饐えた臭いはなくて、そこに甘えている。読んでいない本が部屋の中を見る限りはなくて、別に本を買わなくてもそれに相当する経験をするための物、具はたくさんあるのだけど、それでもやっぱり本屋に行って、なにか買ってきておきたいなあと思ってしまう。咀嚼力がないのに胃下垂なのか。我ながらかわいげがないことを言っている、と自覚しながらかわいげの欠片もないことを言った。そう思ったからそう言ったのだが、それを飲み込む機構はなかった。言われた方は憮然としていると思う。私もいい気持ちではない。でもそれをやるのだから、へたくそなのである。
