他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

真っ白におはよう

昨晩の不摂生が祟ったのかよく寝付けず、ずっと浅い覚醒状態で夜を過ごした。朝がぼんやり見えてくるまで、寝たような寝てないような感じだった。それから、すごくスプラッタな夢を見た。痛くて怖そうな夢だった。楽しい夢、というのがどういうものか定義できないが、人によってはパチンコでじゃらじゃら出玉が止まらないとかかもしれない、よくない夢を見たくはない。べちゃっと嫌な汗をかいていた。ただ、暖かくなって体温調節に伴う現象だっただけかもしれないけれども。ある程度の分量で本を読むと、何もやらなかったよりマシな気持ちになれる。

big bite

ものをもらった人に返与(多分こんな言葉はない)をした。予想より大幅に喜んでいたので、多少なりと時間をかけて選んでよかった。寒さはだんだんと身を引いてきて、包み込むような暖かさが顔を出していた。風呂上がりに、身体がぼんやりとした汗の膜に包まれるような感覚があって、着実にカレンダーは進んでいる。私がぼんやりしている間に。くたくたとした眠気を感じる。こういう時に眠ると、すんと寝られて気持ちがいいのだ。口の中を3回くらい噛んで、それが今日の心残りだった。

overfrown

あるところに入れていた荷物を回収しに行った。ロッカーの扉を開け、全貌をあらためた瞬間、仰天とも諦めともつかぬ気持ちになった。想像の2倍、ぱんぱんに本が積んであったからである。そういえば本をぱんぱんに入れたなあとは記憶していたが、その豊満は控えめに過ぎた。原因の7割くらいは、ほぼ全巻ある化物語シリーズのせいだった。その整った矩形は、よく整理されて、むんむんと赤色で資格を圧迫した。想定外だったので、結構な量を残して帰ってきた。再び整理に向かう予定だ。数年越しに自分の物欲と相対して、「も〜〜〜〜〜バカバカバカバカ!!!!!」と思った。

拘束繭

昼間に買い物に出ると、あまり見慣れない年齢層のヤングがうろうろしているのを見た。時期を考えると、卒業式も終わり、文字通りの放課となった、中学生か高校生の最終学年たちだったのだろう。もうそんな時期か。そろそろやらないといけないことがあるなあと思い出し、前回それをやったのが去年の春だったことを思い出し、もう一年経ったのかと愕然とした。つい昨日とは言わないが、3、4ヶ月前と言われてもまあそんくらいっすねと思えるくらい、現実感がなく、縮尺がない。やっぱり私の頭の時間スケールはつぶれている。高校の情報科目で、コピー機によるコピーを繰り返すと画像(情報)はどんどん劣化すると学んだが、私の毎日は日々うっすらと欠けてゆく昨日のコピペなのかもしれない。

うすい膜

三体の一巻を読み終わったが、おもしろいとかそういう感想よりも前に、すげえな……と思ってしまう。これがあと4冊あるのか、しかもこれから起こることが提起されただけでこのボリュームか、と。弩級という言葉はこういう作品のためにあるのだろう。独占出版権を、版面がかっこいい早川が獲得してくれてよかった。これを日本で出すなら、早川以外にないだろう。専門書籍の世界をちらっと覗いたことがあるが、〇〇ならここ、はどこにでもある。いつ読み終わるともしれないが、大航海に出た気分になった。

変な時間に眠くなった。普段捨てない種類のゴミを捨てると、これは本当に種類が合ってるんやろうか、持ってってもらえるんやろうか、言い知れぬ不安がぼんやりとある。最寄りの集積所は曜日や時間にかかわらずゴミが置いてあるので、自分の正当性、遵守云々についてぐらつくことが多い。使わないしほどほどに場所を取るのになんとなく捨て損ねてずっとあるものを捨てたから、ほんの少しだけ広くなった。次に掃除をする時、今回利用可能となったスペースを含めて整理しよう。ねむ……。

雨の頭身

冷たい雨が降っていた。今も降っているかどうかは知らない。そこそこ以上の雨が降るたびに、染みて濡れない靴が欲しいなあと思うが、雨の日を過ぎるとその思いを忘れるので、刹那の欲望としてずっとリストに乗り続けている。新生姜を食べた。甘酸っぱくて、普通の生姜ほどとげとげしいところはない。そもそもそんなに生姜を生で摂取するなよという話なのだが、好きなのでつい食べてしまう。味覚が鈍いのはこれのせいなんじゃないだろうか。雨のせいかおかげか花粉をそれほど感じない。いつものところに髪を切りに行き、今日はまたおばちゃんがいた。すげえ話しかけてくるので、私の得意料理がバレてしまった。トニックつける? いらない? マッサージは? していいね? よっしゃ。みたいな感じだった。あそこはマッサージをしてくれる人が二人いる。こんなことに詳しくなってどうするのだ……。

同時に起こる方程式

また物の値段の話だが、鍋の把手でそれを感じた。ティファールの鍋を握った時は、鍋を使ってする仕事に意識が向いて、鍋を持っているということを考えなかったのだが、アイリスオーヤマの鍋を握った時、あまりにも他人でぎょっとした。持っている、持たされている、とにかく意識に割り込んでくる。あと単純に持ちづらい。物としてするりと手に馴染むものは貴重である。貴重というか、探せばあるのだが、探す必要はあるくらいに、普遍的なものではない。手にしっくりくる、ということを考える時、いつぞやに見た、カービングの作品を思い出す。手と物の関係は、美術において永遠の命題のひとつだろうが、それだけを追求した作品もあるのだと思ったあれを。

磁石転輪

左手人差し指第二関節下の方にあかぎれができた。縦に走っているので、曲げ伸ばしに伴う肉の形の変化に巻き込まれて、まあまあ痛い。手荒れするほど空気が乾燥しているかと言うとそうとも思えないけれども、季節の変わり目で肌が参っているというのは考えられる。山菜に明るくないが、ふきのとうだか何かの芽はそろそろなのか。食べないけど。新生姜は食べた。季節に合わせて意識して食べたのは初めてかもしれないが、甘酸っぱくてトゲトゲした辛味がなくて、かわいらしいところがある。

下限回廊

半額で買った海鮮かまぼこがんももどきみたいなものは、とかく絶妙に美味しくなかった。不味いわけではないが美味しくない。というか味がない。いわしのやつは生臭くてしんどかった。この一週間の人生における気付きは、ものは値段であるということかもしれない。髪がもっそりしてきたので切りに行きたい。今日は眠かった。全然寝付けなかったのもある。花粉で目が痒いし。

物質連合

貸してもらった『三体』を少し読んでみたが、まだ何が始まったというわけではない。ただ、壮大でハードな雰囲気はする。カバーのせいかもしれないが。腰左側がまた軽く火傷したみたいになっている。床擦れなのだろうか。寝相が悪いのか、衣服がアレルギー的なそれなのか。一昨日あたりに、濡れた靴を干そうと玄関先に出していたことを完全に忘れており、雨に降られてえらいことになっていた。やべ、と思って、思っただけでまだ回収してないのでそのままになっている。買い替えの動機にはなる。ちょっと安かったので山型超熟を買った。うすっぺたい食パンに比べてむちむちしてしっかりしていて、また、値段とものの比例関係を考えた。

黄金色の

台湾パイナップルはめちゃくちゃうまかった。果物は普段全然食べないが、それだけに強烈だった。芯まで食えるし、何よりも、一片一片がジュースに満ち満ちている。今まで食ってきたパイナップルは、これに比べると紙である。強烈でいやみな酸味もなく、どばどばと甘い中で少しの酸っぱさがあり、いつまでも食える。気持ちとしてはいつまでも食える。切り分けながら一人で半分食ってしまったくらいには食える。じきに舌がビリビリしてきて、味が分からなくなってもったいないので食べなくなるだけだ。パイナップルにはタンパク質を分解する酵素が含まれていて、それが味蕾にどうこうという話だったはずだ。750円という値段について、これほどのものが食えるのであれば安いもんだったなと思う。店員の話によると、農家は張さんがよいらしいので、買う時はシールを見ましょう。

eat bill

ひとつあたり200円するみかんを食べた。高級品である。そもそもみかんの一個あたりの値段を意識したことがないのに、3つで600円なのだからすごかった。アイスみたいな単価だ。味はというと、これはさすがに値段相応の味がした。まず、手に持った時の皮の感触が違う。身の気配を感じない、皮がごってりとある。その皮もしっかりしている。オレンジを剥いているかのようだ。中身はみかんだ。しかし、その一粒一粒がジュースの一口にも匹敵する。甘さは濃いけれど、しつこいと思うほど深く足跡を残さないので、全て印象が新鮮なうちに、ひとつ食べきってしまった。値段は嘘をつかないタイプの経験をした。台湾パイナップルも買ってあるが、いい農家のものらしいので、そちらも楽しみである。

透明な隣人

三体の文庫が出ていますね、という話をして、中国SFの読者が近くに二人いたことを知った。同じく、ディックの読者もいた。たまたまではあるが、身近であった出来事が連鎖すると、世の中ってうまくできているなあと思う。雲というか霧みたいなので空が白くなって、昼から雨が降ったので、寒い日だった。

エビ・バーナー

劉慈欣『老神介護』をちょっとだけ読んだ。ちょっとだけも何も短編集なので表題作だけだが。文字通りの内容で、その内容に気付いたこともすごいし、何よりこの人は構成力がすごいので、ド級長編三体を読んだらものすごい気持ちになるだろう。出版社が角川なのがちょっと……というのはある。ちょっとじゃないか。すごく眠い。目的意識のない呼吸に困っている。そういえば昨日、大学の後輩に思わぬ場所で出会い、色々な消息を聞いたのだが、また鬱病の先輩が出たらしく、なんというかこう、精神性の磁場というものは本当にあるのだろうなと思った。