電車の中で、英会話教室の広告がいっぱいあるので、暇だし見ていたら、予習として自分の話したい事を書き出してきてもらいます、という文章があるものがあった。例文をコピペしてんじゃねえ、お前の話したい事をお前の言葉で話すんだよ、分かったな、という狙いらしかった。ほう。自分の話したい事。自分の話したい事。自分の話したい事……? 英語でも日本語でも、その他どの言語でも、別に話したい事はなかった。何もない。無理やり絞り出したような、歪なカスみたいなものは提出できるかもしれないが、正直にやると白紙で突き出すしかない。義務教育課程じゃないのだから、予習をしてこいに対して白紙を出しても怒られはしないだろうが、じゃあお前は何をしに来たんだと思われて言われるだろう。本当に、話したい事はないんですか、何でもいいんですよ、何でも。ないです、ゼロです、手持ちの札がありません。はあ……。まで見えた。何をしに来たというか、何をしに行くんだという感じなので、絶対行かないが、経済が回っているという事はああいう場所に行く人間が少なからずいるという事で、彼らは一体何を話そう話したいと思って他人に教えを乞いに行くのだろうか。そこまでして話したい事、あるか? そこまでしなくても話したい事はないので、私が無理なだけかもしれない。皆手札が、というかそれ以前に山札があるのか……。すげえな……。引いてくるものがないのでは、不戦敗とかもはやそういう次元ではなくて、同じ土俵に立っていない、勝負すら成立していない。本当に、お前はここに何をしに来たんだ、である。そう言われても、やっぱり言いたい事なんてないので、さあ……? と言って、帰って寝る。眠い。道を歩いていて、色々いい加減過ぎた電光掲示板。文言。「新規の客様200引き」「お気軽に声をかけってください」。何がとは言わないがひどい。ひどすぎる。見ていられないので一回しか見ず、それゆえ末節は間違っているかもしれないが、瑕疵の部分は過たず転写しているはずなので、こうだった。絶対入らないぜ、と思った。少し前に発売されて衝撃を受けた、トイレのウォシュレットさえアレだからお尻を流すのさえパーソナルにやろうぜ! というコンセプトのお尻シャワシャワに、香り付きニュータイプが出ていた。なぜ、排泄した後の尻穴をいい匂いの水で流す必要があるのだろうか。ローズとかラベンダーとか、6種類くらいのラインナップがあったが、尻の穴を嗅ぐのが流行っているのかしら。