他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

つけひげ着用数世界記録

今日も何もしなかった。何もしなかった。洗濯はした。ああ、そうだ。洗濯はしたんだ。建物のランドリーに洗濯物を持って行く時、鳩、多分鳩だったと思うのだけど、それの死体を見た。轢かれたとかではなくて、明らかに捕食の対象物となったのであろう損壊を伴った鳩の死体を見た。私は、この国には、鳩の死体の思い出の方が色濃いのではないか。何年か前も、広場だったか駐車場の外れで死んでいた鳩をじっと見つめ続けていた記憶がある。今日の死体は、でも、生半可な死体ではなかった。頭がほとんどほじくられて原形をなくし、足が片方もげ、紐みたいな内臓がちゅるちゅると散らばっていた。びたっと広がった赤い染みも側にあった。死体だった。あれは。まだ蛆は湧いていなかったけれど、ハエが一匹、見えたので、明日の朝くらいに見たら、また違った様相になっているかもしれない。こいつにも、まだ、鳥としての生があったのかもしれんなあと思ったので、黙祷はした。洗いにかける時と、乾燥機に移す時と、乾燥機から出す時と、都合6回くらい見た。でも、やっぱり肉の塊で、けばけばした羽毛が千切れていた。今、初めて知ったのだが、「けばけば」には「毳毳」という字が当てられるのだな。その字面だと、どっちかと言えばふさふさじゃねえのかと最近ケルヌンノスを見た気持ちだと言いたくなるのだが、けばけばらしい。他にも、擬音語に漢字が当てられる例はあるのだろうな。漢字林をひっくり返せば、いくらか見つかりそうである。帰ったら、広辞苑は欲しいなと前から思っていて、でも本屋に行く度忘れているので、買ってもいい。辞書が欲しい。日本語の辞書は、そういえば持っていない。持ってないんだな。人生で買った日本語の辞書より、それ以外の辞書の方が圧倒的に多いな。アラビア語の、めちゃくちゃ使いづらいがそれ以外に使いやすいものがないというあの何とも言えない辞書も、引っ越しの時に突っ込んだダンボールのどこかに入っているはずなのだが。聞いた当時の話だから、今はアップデートされたかもしれないが、しかし辞書は何十年というスパンでしか変わらないものなので、世界で最も権威あるアラビア語の辞書は中国で作られたアラビア→中のものだったはずである。世界はへんてこなところで繋がっているものなのだ。寝る時につけている木綿の手袋に、耐用限度を超えたのか、乾燥機の荒々しい熱風がいけなかったのか、穴が空いた。構わないと言えば構わないが、一箇所だけ別の手触りがするのは気持ち悪くもある。