卒爾

たまの気まぐれを起こして、ニンテンドースイッチを買ってきた。ゲームハードを最後に買ったのがいつかと言うと、PSPの3000番台を中古で買ったくらいなので、もしかして十年以上ぶりになるのかもしれない。この隔絶に震えている。間に全くゲームを挟まない期間があり、４年くらいはソシャゲしか触っていなかったのだが、昨日たまたま、普段アークナイツの配信をしている人がBotWをやっていて、あまりにやりたくなったので買った。他にも買ったものがあるので五万円くらい一発ですっ飛んだのだが、これはよい金の使い方だった気がするけれども、それを決めるのは後の私に委ねたいと思う。弟と遊ぶかもしれない、という動機もあるが、私がスマブラとか好きではないので、そこはゲームを選ぶ必要がある。まだ開けていないのだが、ハードを買ったという超絶久しぶりの体験に心が追いついていないため、粗熱を取るために玄関に置いてある。うむ……。レジに並んでいる時、他の人が皆ポケカを買っていた。シュリンクを剥いて外箱も回収していたので、内容確認の儀式かと思ったが、これが噂に聞く転売対策かと思い当たった。横のカタコトの人は、え、箱回収するんかいみたいな反応をしていて、転売対策ですよ〜と説明されてもにょもにょしていたので、当事者ではないにしても、買い子として雇われていたりとか、そんなんなのかもしれない。何に価値が付くのか本当に分からん時代になったものだが、あれを実際に目の当たりにすると、ポケカが資産の一形態というのは、間違った形容ではないのだなと感じた。あるいは、カード一般と言ってもいいのかもしれないけれど。左隣の人は、ウキウキして帰って行ったので、あれはただ好きな人なのだと思う。私はそもそも、不埒で阿漕な行為をして心が痛まないという、その段階から理解できないので、全く撲滅してほしいのだが、当のフリマサイトがでっかい顔をしているのだから、悪徳が大手を振ってあかんべしても石が飛んでこない時代ってやべえと思う。冷蔵庫のチーズが、今日、突然、食べた時に胸に嫌悪感を起こす風味を飛ばすようになった。ダメになった日である。前もそうだったが、チーズは、ある日、無が有になるように、卒然と食べ物としての本質を失う。どう形容したものか、洗ってない汚い雑巾みたいな嗚咽の盛り上がりを催す匂いになる。なぜだろう。ちょっと落ち着いてきたので、スイッチを開封する。