他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

地獄の三丁目の銘菓

午前中にやたらめったら雨が降っていたが、午後には止んだ。靴が濡れみずくになったので、こういう事があるたびに長靴や厨房用のゴム靴が欲しくなる。長靴はあって損のないアイテムではあるが、しかしそこまで積極的に欲しいかというとそうでもない、キッチンにおけるヘラ、ファッションにおける羽織もの、ランチプレートにおける食後のコーヒーみたいなものである。靴というのは基本的に扁平というか、縦よりは横に長さがあるものなので、長靴の事を考えるたびに頭の中でバグが発生したような気持ちになる。他にもブーツがあるのでその限りではないはずなのだが。もうなくなってしまったが、普段の通り道にブーツ専門店があって、ブーツフェチの人と一緒に行って、どこがどう、みたいな話を聞いてみたかったものである。そういう衝動、欲動は、必ずしも言葉になるもの、言葉に起こすものでもないので、別段聞けなくても全然構わないのだが。その気持ちが聞きたいというよりは、どのような言葉で、言い回しで文体で語るのか、という部分に興味があると言うべきだから、内容如何は後回しにして、やっぱり私はその人に内在する文体系、それに対する意識みたいなものを好むようである。全て空想、一人で考えた事で書いているので、ぜーんぜん、これっぽっちもそんな事はない可能性だって十分あるのだけど。食べたくなったので、いつものパン屋に遠回りして寄った。店内のイートインスペースで青年がパンを食べながら飲み物の紙パックを握っていて、このスペースを利用する人がいるのだという事実をそろそろ認めなければならない。食うためのスペースで食うところを見られるのは構わないが、買うと食うが併存している空間で食うところを見られるのはなんだか嫌なので、コンビニなんかにも最近はあったりして、意識の違いをいたく感じるところだ。新メニューがいくつか出ていたので、それを優先して買った。ソーセージが真ん中に通った、シンプルなパンは、一本勝負、みたいな名前が付いていて、そういうパンにつけるにしては冒険的というか、ものすごくすっぱりしていた。他に余計なもんは入れてないんで、ソーセージだけで勝負するんで、という気持ちの現れだろうか。剣豪みたいだ。瀬戸内レモンパイみたいなやつは、そんなにピンと来なかった。近年、瀬戸内レモンはどこにでもいる気がする。中国地方の銘菓的なものスイーツ的なものにとりあえず冠しておけみたいな感覚がある。レモンってそこまで魅力的な食べ物だろうか。単体で食って大好き! という人、私は一人も知らない。まあなんでもそうか。昆布や唐辛子もそうだ。食べ物というネットワークの中において、連関に位置付けてやらなければ食材として評価できないのか。私は何を言っているんだ。