名前が高級品

ふとした時に、頭からガンと意識がなくなっていることがある。つるり、と。茹でている時に殻からはみ出してしまった白身が、冷やしている水の中で手からするりんするりんと逃げる、あれくらいのすべらかさで、ああ逃げた、つかまえよう、という時点までの意識を残して、いなくなる。さっき見た夢の中で、英語で話していた。まあたわいないものだが、なんでこのタイミングで、と思った。現在の私からは、無形のものに対する渇望が家出しているので、本当になんでか分からない。