他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

文脈のない白玉を食べ物として認識できるか

洗濯竿の一点にだけ、屋根から落下する雨水が集中的に滴下する。そのワンポイントのせいで、窓一面に水滴が撒き散らされ、直下に干された洗濯物がびっしゃびしゃになる。前の住居では、上階の排水管が緩んでいたのか、同じようにぴったぴったと垂れ続ける箇所があった。水漏れに嫌な縁がある。すれ違ったおばさんが、IKEAのあのバッグを提げていた。ものすごいデカいよく見るタイプのものではなく、トートバッグより一回り小さい程度のちっちゃなやつで、そもそもあのIKEAカバンにサイズ展開があった事を初めて知ったのだが、そのおばさんは裏返しで使っていた。特大のタグが数枚べろりと外に飛び出していたので、まさか気付いていないとは思えないのだが、表裏が区別しづらいデザインではあるので、無自覚にそのまま使っているのだろう。肉とパンを買いに行った帰り、鯛焼きを買った。前回通りかかった時に結構な待機列が出来ていたので、もしかして美味しいのかもと記憶に留めていた店だ。しかし、鯛焼き屋ってどうしてすごく小さい規模で展開されるのだろう。鰻の寝床みたいに細長いタイプか、やや長方形気味のこぢんまりしたタイプか、この2種類くらいしか思い浮かばない。焼くための鉄板と客対応の窓口さえあればいいので、下手に大きい店面積にして賃料の見栄を張るよりはいいのかしら。揚げ鯛焼きみたいなやつを注文したら、思ったよりも時間がかかり、型からはみ出した生地を店員がハサミでトリミングするのをしばらく見つめていた。ハサミの刃が、生地の切れ端を切り取り、挟んだあんこを刃の面でぎゅっぎゅと整えている。そのハサミ、綺麗なんだろうなと思った。語尾が上がる方である。存在は知っていたが、一度も足を踏み入れた事のなかった近所の公園に持って行って食べた。日向に腰掛け、芝生をぼうっと眺めた。手持ち無沙汰そうなおじさんが所在無さげに手をもぞもぞさせながら無聊を慰め、カップルが自撮りをしながらイチャイチャ会話し、一際高いピッチの、おそらく英語と思われる言語で外国人女性が爆談笑していた。子供が鳩の群れに木片を投げつけては追い散らして遊んでいる。ここは、公園という名前を被せられた、ただの場所だと思った。遊具に連関がなく、場所自体にまとまりがなかった。そこにいる人が、公園にいる時の振る舞いをするから公園に見えているだけで、ここは場所が自覚を持たない中空だと思った。鯛焼きというのは、思ったよりもボリューミーで腹が膨れる食べ物だという事を思い出した。3つ買ったけれど、正直1つでよかった。あげる人がいない。