他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

MSGK

MSGKというアルファベットが印刷されたTシャツを来ている人がいた。ブロック体ではなく、ちょっとデザインがかった字形で、MSGKだった。普通の、30前後の成人男性だと観察した。で。MSGKという四文字を見た瞬間、私は「メスガキ⁉️」と思った。ここで読む目を休めて考えてほしいのだが、と言ったところでここで意思疎通の媒体になっているのは文字なのでそんな事を言うとナンセンスになるから物の喩えとして、MSGKが何かのアクロニムだとすると、ではそれは何の略なのだろうか。果たして、いの一番真っ先に「メスガキ」を想起した私が間違っているのか、正しいのか、そもそもそういう価値尺度を持ち出すのが誤りなのか。頑張って考えてみたが、私が得られた回答は「味噌掛け」のみだったので、あれはメスガキの頭文字だったのだと思う。そして、こんな事をニュータイプ並の速さで思いつくあほんだらはそうそういないと思う。あの人は、胸元に堂々とメスガキを掲げて歩いていたのだろうか。普通に生きていれば、というか、そういう文化圏を観察していなければ、そもそも語彙にメスガキが含まれる事は一生ないだろうし、メスガキという言葉を独自に思いつく人はまずいないだろうから(思いついた誰かがいるから使われているわけだが、オリジネイター以外に、一体何人が同じ結論に辿り着いただろうか?)、見る人が見なければ、あれはありふれた英字Tシャツである。見る人が見たら、そういう文字列だったのだ。英文が書いてあるが、よくよく読むと棒にも箸にもかからない、犬のフンの方がまだマシと言えるような、文でも何でもない生命を持たない文字列だったりするが、もしあのTシャツのデザイン動機がそれで、「適当にアルファベット4文字を並べて、それを歪めてデザイン的にすればいい感じのTシャツができるで!」を発端にああなったのだとしたら、なかなかの偶然である。アルファベットは、30文字ないくらいだから、場合の数はそれの4乗で、同じ文字4連続とか、ANUSとかPISSみたいなちょっとあやしいやつは省いたとて、膨大なのだから、そこからMSGKの並びが得られるというのは、もはや運命的である。どれくらい運命的かと言うと、ステレオタイプでコテコテのメスガキに実際遭遇するくらい運命的だろう。胸元にメスガキを掲げて渋谷を歩いていたあの人は、どういう動機であのTシャツを買ったのだろう。KNNR。