他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

風は複数形か否か

冷蔵庫の中に保管している、ただの辣油と、具入り辣油を使い比べてみた結果、具入り辣油の方が、辣油である事を考えても特徴的な辛味を備えている事が分かった。ただの辣油は、ただの辣油で、取り立てて特徴がないのであるが、具入りの方は、料理に入れた時、明らかに味がとんがってくる。豆腐とピーナッツと謎の豆と唐辛子その他諸々くらいしか入っていないはずで、一体それらのうちどれがあの辛味を醸し出しているのか、分からない。豆腐が入っているのも、よく分からないが、歯ごたえは面白いので好きではある。好きかと言われると言い澱む。買ってきたトマトを、晩飯に使おうと思って、2、3日連続で忘れている。レンジの上という、なかなか目に入らないところに保管しているのがいけないのか。朝飯が、チーズとイングリッシュマフィンの組み合わせになった。米がなくなるので米を買いに行かないといけないのだが米は重いので買い物のついでに抱き合わせで買ってくるという事がなかなかできず、結果としてずるずる麺とかパンとかを食って生きていて、しかし便通が明らかに滞っているのも否定し得ない事実であり、体調管理の面から言っても早急に調達するべきではあるが、めんどくせえという精神的障壁を超えられないまま、妥協とおざなりの産物として、直前に読んでいた遠藤周作の小説に出ていたわびしい食事としての、パン+チーズが頭の中に浮かんだのであった。ここに葡萄酒がくっつくのだが、飲めないし朝から飲むわけにも行かないので、簡略化してある。買ってきたのはプロセスチーズだが、一回の食事で食べきれるプロセスチーズの量について考えたのは初めてであった。でかいごついブロックみたいな塊で、そこから包丁でいくらかを切り出して食べるわけだが、イギリスで適当にスーパーで買ったチーズがいかにチーズらしくて美味しかったかがよく分かる何とも言えないおいしくなさであり、おまけにプロセスチーズ特有の臭みというか匂いが芬芬しており、チーズ嫌いの子供の口の中にかくも詰め込めば一生物のトラウマになるのではないかという感じである。チーズフォンデュに突っ込んでウィンナーを食うのとは、ラクレットチーズを好きなだけぶっかけて食うのとは違うのだ。2回目のチャレンジにして、幸運にも自分の適量を見つけ出す事ができて、うまいもんにも節度は必要であり、ここで今一度、向田邦子の、おいしいものはもうちょっと欲しいくらいがちょうどいい的な言葉を思い出す。