晴れていたのに、突然横殴り、というには角度が緩かったけれど、ざらざらと音を立てる雨が突然降り出して、昨日もそんなだった記憶があるが、忙しい(せわしい)天気である。おもむろに、を急にの意味で用いるのは誤用とは多分よく知られた話だが、漢字で書くとどうなるのかを併せて伝えればおもむろを取り巻く状況はおもむろに改善されていくと思うのだが、そういうことはない。徐である。徐行。徐という字面から感じ取るほどバックグラウンドの文字知識がない、となると、それはもうこれだけに留まらない問題になるのだが。有名協会のメンバーでもあるらしいルポライターの書いた文章を読んだのだが、こんなレベルでいいのかよ、と思うくらいのものだった。ずるっずるで読めない、というものではないにしても、細かいところで脱臼、骨折、瑕疵に事欠かない長文で、読んでいてぐったりしてしまった。修辞上の理由でわざとやっていると分かるなら目も瞑りたいところを、これは間違いなく間違っとるな、と判断できてしまうほどに品詞をいい加減にしていて、同じような話を前後の段落でするし、これで金がもらえちゃうのかあ、と思ってしまった。直近で、散文としては極限にかっちりしている谷崎潤一郎の文章を読んでいたものだから、余計にその感が強かったのかもしれない。かしこい肩書きのついた大学教授でさえトンデモ文章を平気で載せるのだから、いちいちケチをつけるまめな人間の数が減っているのではあるまいか。細かいことに拘泥していては物事は進まないが、細かいことをすっ飛ばして物事を進めるのもよくないのだ。キルミーベイベーの13巻を読んだ。ギャグ漫画というよりは、いかにして人間が死ぬかの思考実験みたいになっている、とは今までの感想だが、やっぱりそうだった。なぜこれがあの漫画誌に載っているのか、すごく不思議である。