他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

不文律経典

昼はそれほど暑くない。屋内にいれば暑くない。買い出しに出た正午前後は、かなり暑かった。もう上着はいらないだろう。むしろ、上着を着ると路上でぶっ倒れるかもしれない。でかい交差点の木陰で信号を待ちながら、頭の後ろの方から迫る昏倒の気配を感じた。髪が伸びた。頭蓋骨の概形が分からないくらいになると、散髪のサインである。頭頂部付近の毛量が極端に多く、放っておくとものすごく鉢の輪郭がもこもこしてくる。単純に暑いし、風呂上がりにバスタオルでさっと済まないので、時期が来ればすぐに床屋に行くようにした。私が、魂の方向性が一致しているな、と思った店は今でも営業していて、あの年号を2つ間違えたような理髪店も通常営業していた。していたが、5人ほど待機していたので、めんどくさくなって帰った。2人くらいまでなら考える。金曜日くらいに、時間を作って切りに行こう。洗濯物を干した。掛け布団のシーツを洗った。敷き布団のシーツも洗ってしまってよかったかもしれない。敷き布団の中身、頭が来る方の天辺が、どう見ても黄色くなっていて、生理現象一連もろもろに思いを馳せた。得るところは特になかった。しばらく外食をしていない。金を落としたい店はあるが、引きこもる積極的な口実ができると、外に出たくなくなるものである。最低限まで削ぎ落としてしまえる。現代の長所にして短所だろう。家にいてもおおよその事が済むというのは。スーパーで、赤葡萄の立派なトレーを見つけた。葡萄。ぶどう。自分では食べない。実家に帰ると、朝食後のヨーグルトに添えてあったりする。祖母の家に行っても、たまに出る。自分では食べない。イギリスに行くと、£3くらいで大きなバンチを買えるので、それを食ってビタミン源にしていた。冷蔵庫で冷やして、流水で濡れたぶどう。これがなんだか、異様にうまそうに思えた。暑い外を歩いて人心地ついた後、乾きが欲するものがあったのか。ぶどうを買った。おやつ代わりにもなるだろう。果物を食べ過ぎて糖尿病になるとは、聞いた事がない。常軌を逸した摂食でなければ、万事オールグリーンだろう。緑ぶどう? 青ぶどう? マスカット系のあちらは、風味があまり好きではない。すれ違ったカップルだか夫婦だかの買い物かごに入っていた、エビが目についた。エビ。食卓に登るのが珍しい食材だったから、憧れを抱いている食材というのは結構ある。私のそれらには、エビが含まれている。生物としてのエビにも、食べ物としてのエビにも、さっぱり詳しくないが、そこそこ立派なエビだったと思う。食う前に殻を剥いた。おかしらを外す時、脳味噌だと思う、とろとろしてどろっとした、地獄の泥濘みたいな物体が出てきてギョッとした。脳味噌は、脳「味噌」だなと思った。爪の間が赤い。エビの色素というのは、移りやすいものなのだろうか。