他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

対面の白刃

年単位ぶりくらいで酒を飲んだ。実家の私の部屋、机の下に梅酒と梅ジュースが醸造され続けており、そういえばそんな液体があったやんけと思い出して、炭酸水を買ってもらった。十と……何年ぶりだっけか。年月を重ねているせいか、アルコールっぽさはさっぱり感じなかった。原液でちょびっと飲むと、3秒ほど遅れて喉が焼けるような感覚があって咽せたが、あれはアルコールに負けたというよりは不意に咽喉奥が梅の酸味で侵略されたので緊急SOSの意味合いが強かった気がする。飲み始めて最初のちょびっとは脳味噌の血管に血が集まり、これがクスリをやる目的かもしれんなと考える若干の高揚感らしき朧気な存在を感じたが、すぐに行方を見失い、多少刺激が強いジュースを飲んでいるだけになった。梅酒、もしかしてアルコール分抜けてない? 経年と共に、密封じゃない容器であるがゆえにアルコール抜けてない? そうでもない? お腹の中で覚えのない焼灼がうろうろしているが、これも直にいなくなるであろう。やはり酒は好かんな。図書館で借りてきた本を往きの新幹線の中で読み切ってしまったため、しばらくまともな活字を読んでいない。触れていないと、頭の中がグラタンのホワイトソースみたいにてろてろしてくるのを感じる。スプーンで知性を掬い取られそうになるので、凝固剤でも置いておこうかな。路上に塩化ナトリウム? だっけ? 凍結を防ぐための薬剤が束となって積み上げられていたが、今年はどんぐりびっくりに暖かくてぬくぬくなので、凍結はおろかまともな雪が降る事もないのではないか。雪……。雪は見たかった。あのしんと沁み入るような、俺がおでんのタネで、出汁が内側に食い入ってくる現象を、まだ今年は体験していない。頭の中がてろてろなので、食事の終わりまで存在を忘れられていて、鍋の底で延々だらだら加熱されていた餅巾着あたりがお似合いになるだろうか。大根とかはね。人徳やカリスマが必要になると思いますから。ああいうのは向いてないので。お前協調する気ないだろ、みたいな単独峰が好きなんですわ。おでんで言うと、あれだね。ウィンナー。他の全てを無視したオンリー・ワンのうちの一つじゃないですか。あいつは出汁を味として必要としないので。落ち着いて考えると、おでんにウィンナーが入っているのって結構意味分からんな。アウト・オブ・おでんやぞ。別に言う事もないですね……。死ななければどうにかなりますが、死なないままでいるのも大変ですわね。自分の言葉を捨てない事を目標に、しますか。そういえば何もフラッグ立ててなかったので。こういう時に、頑張るぞ以外のちょうどいい、ぬるい温度感の言葉が欲しいですね。探しときます。