用で外に出たついでに、繁華街の中をちらと覗くと、全く繁華街ではなかった。ゴーストタウンと言うとちと言い過ぎだが、まあ大体そんなものだった。普段人が溜まって通っているエリアをポジとして、そのネガに人を設置したかのような、ものすごく寂しくひっそりとした建物がずらずらと続いていた。営業中の店はほとんどない。あったとしても、人がいない。カフェや喫茶系の店にはそこそこ人がいるが、そこそこ人がいていいのかどうか、何とも言えない。ゴールデンウィーク前まで休業します、という張り紙の上から、マジックで塗り潰して、当面休業しますに切り替えているところがごまんとあった。店じまいで解体工事をしているところも少なからずあった。まさに、肌感覚的極寒の時代の景色がそれだった。何と言うか。冬に地を這う小虫のように、通り過ぎるのを待つしかないのかしら。マスクを売っているところをまだ見た事がないので、行き交う人たちのマスクはどういう経路なのか、気になるようなならないような。夕方、ほんの一瞬だけ通り雨が通り過ぎた。地面を打つタイプではなく、静かにしめやかに降る、しかし分量はたっぷりした雨だったので、物干し竿へ向けた屋根からの集中ドリップがだっぷんだっぷんになって、直下にあったパジャマがぐずぐずになった。絞らなくても滴っていた。今日の寝巻きはどうするか。昨日の晩に、ピザを食った。高麗カルビ（耳にチーズ入り）、あとは４種ミックスのなんか。レギュラーサイズ２枚。いっぱい食べたくなった。レギュラーサイズとMは呼び名が違うだけで一緒かと思っていたら、別物らしい。レギュラーの方が大きくて値段が高い。サイズ表記でRのアルファベットを見たのは初めてかもしれない。ピザの耳にチーズを入れるのは、300円くらいする。高い気もするが安い気もする。ピザ業界に疎いので全く知らなかったが、耳にチーズやウィンナーを入れるだけではなくて、生地２枚の間にチーズを入れる、生地３枚の間に２回チーズを入れるなどのミルフィーユオプションが爆誕しており、欲望の際限ない昇竜拳を見せつけられた気分である。上階にもチーズ、地階にもチーズ。トッピング２倍などもあった。ひとつの小宇宙実験場なのかもしれん。一人でR２枚は多かった。1.4枚は食えた。0.6枚は今日に持ち越した。ガーリックマスターみたいな名前のやつが美味かった。脳にガツンとくる。高麗カルビは、トッピングを２倍にしたら多分楽しくなる。耳にチーズが入っているピザは、ただの暴力だ。一人頭Ｒ１枚ノルマのピザ会やりてぇなあ。
