他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

フライド棘皮

辛いものを食べると鼻水が出る。鼻水が出ると、呼吸が難しくなり、食べ物の味がよく分からなくなる。なので、辛い食べ物は食べ物として位置づけるのが難しい。賞味できないからである。それを食する事を楽しめないものは、食べ物なのだろうか。考えなくてもよさそうな事を考えながら辛い晩御飯を作った。唐辛子とニンニクの油漬けと、山椒辣油みたいなやつで。唐辛子とニンニクのオイル漬けは、パッケージが中国語っぽいのでそうなのかなと思っていたが、むかーし昔に行ったタイ料理屋の卓上調味料に、これとよく似た風味の唐辛子のオイル漬けが置いてあった事を思い出した。中華、と言うよりは華僑っぽいのかもしれない。澄んだ辛さが油の匂いに乗って鼻を抜けていくこの感覚は、ほぼほぼあれだ。そこまで確かな記憶かどうかは自信がないのだが。8時くらいに一回起きて、それから12時前まで寝ていた。どうしてだろう。疲れていないのに。やはり、疲れる事がない状況に疲れている、という例のあれな気がしてきてやまない。いる理由がない、というのは、存外消耗する。何の話だ? 12時前に起きたのは、家のチャイムが鳴ったからだった。チャイム? ベル? 何と言うのが正しいのか。起きる前、近所のどこかで響く、スマホのアラームを感じてイライラしていたような気がする。スマホが出す音で一番嫌いなのは、LINE通話がかかってきた時の軽妙なあれである。万死に値する。百億回死ね。あのジングルが、どうしても生理的に受け付けない。家のチャイムだ。チャイムが鳴ったので起きた。私の方の家のチャイムは、一度玄関の門を開けてから、ドア横の壁にひっついているので、チャイムを押した段階で、侵入の可否を問う事ができなくなっている。ただ、よく考えると、少しではあれ家屋から離れた場所にチャイムを設置するというのは、リモートの問題がついてくる。となると、やっぱり、家屋にチャイムがひっついているのは至極理に適った構造なのだろう。玄関ドアを開ける。寝起きのすっとぼけたナリだったので起き抜けの腑抜けさを若干後悔したが、大家さんだった。近況をざっくり世間話した後、差し入れだと言って、諸々一式をくれた。マスクもあった。干しておけば2、3日繰り返して使えるから、と教えてくれた。絶で天破で言語道断なので死んでもやらないが、マスクの残弾が増えたのは素直にありがたい。外に出る事は食料の買い出し以外全然ないが。虚ろな無を切り分けても叩き売りしかできそうにないので。