ビッグコーンというのを食べている。ちょっとでかいポップコーンみたいなやつで、砂糖コーティングがされているので、つやつやしてつるつるしている。ポップコーンは、あの水気の無さが枯れているようで好きじゃないのだが、これはしっとりしている。ポップコーンというよりは、巨大なポン菓子と言った方が正解だろう。べたべたに甘いのではなくて、噛んでいると、いつの間にかじんわーりと控えめな甘さが広がって、それから消えていくので、最初はなんやねんと思ったが、これくらいの奥ゆかしさの方が好ましいのではないかと思えてきた。パン屋で買ってきた、コーン揚げパンも食べた。コーンがいっぱい入った揚げパンです、みたいな説明が付されていて、どういう事か納得できなかったので買った。揚げパンの中に、確かにたくさんのコーンが入っていて、名前とキャプションに嘘偽り一片たりともなかった。味付けがどうにも珍妙で、とろりとしたソース気味な何か、醤油か出汁みたいな味がしたので和風のそれだと想像されるが、そういうもので含まれていて、終始疑問符も一緒に噛み下しながらになった。腹を抱えて後ろにすっ転げて笑いたい気持ちになって、さすがに肉体的にはやらなかったが頭の中ではやった。でかくて平くてぶとい卵焼き、卵焼きが売っていて、おもしろそうなのでこれも買った。甘かったらいやだなあ、食事で甘みが強いと途中で胸焼けするからいやだなあと危惧していたところ、ばっちり甘めだったのですでに持て余しているところがある。でかい卵焼きが、のてっと横たわっている様はそれだけでおもしろいと言えばおもしろいので、眺めているだけでもよかった気はする。唐辛子パウダーでもぶっかけて食ってやろうか。甘唐辛子というのも買ってある。甘いらしい。まだ食べてない。これから作る晩飯に入れる予定だ。品種改良の産物なのやもしれんが、辛さをもって自認する唐辛子が甘くされたら、一体彼らはどうすればいいのだろうか。精神はいまだ家出したまま帰ってこない。『くっすん大黒』と『きれぎれ』を読んだ。私はこのふたつは好きだ。全然知らなかったゆえだが、著作がめちゃくちゃあった。こち亀が30巻くらいのものだと思ってからリストを見るような気持ちで。
