他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

人の名前を冠したふりかけ

町田康『どつぼ超然』に移った。これもまたすごい本だ。どうすごいかと言えば、文章を書いていて逸れたくなる、どうにもむらむらする脇道に恬然として踏み入っていき、それを気が済むまで踏み荒らしてからまた本題に戻ってくるところである。いや、この本、テーマ自体がもはやそういう脇道みたいなもので、獣道から獣道へと軽業師のようにぴょいぴょい居所を変えるその肺活量、言語的身体能力に圧倒されて、ようこんなアホな事最初から最後までやりよる、と空いた口が塞がらないところに有意無意の言葉とそれが導く想像が次から次へと放り込まれる。それでいて想像力が意味のレールを踏み出さないので、いやもうホントに全くすげえとしか言えないのだ。すごいものには言葉はいらないのだ。や、すると言葉で満ち満ちているこの本がまるでそうではないみたいだが、そうではなくて。人間小唄とどつぼ超然は、今まで読んだ町田康の本ではぶっちりぎりに、なんというかすごい。