他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

うすい膜

三体の一巻を読み終わったが、おもしろいとかそういう感想よりも前に、すげえな……と思ってしまう。これがあと4冊あるのか、しかもこれから起こることが提起されただけでこのボリュームか、と。弩級という言葉はこういう作品のためにあるのだろう。独占出版権を、版面がかっこいい早川が獲得してくれてよかった。これを日本で出すなら、早川以外にないだろう。専門書籍の世界をちらっと覗いたことがあるが、〇〇ならここ、はどこにでもある。いつ読み終わるともしれないが、大航海に出た気分になった。

変な時間に眠くなった。普段捨てない種類のゴミを捨てると、これは本当に種類が合ってるんやろうか、持ってってもらえるんやろうか、言い知れぬ不安がぼんやりとある。最寄りの集積所は曜日や時間にかかわらずゴミが置いてあるので、自分の正当性、遵守云々についてぐらつくことが多い。使わないしほどほどに場所を取るのになんとなく捨て損ねてずっとあるものを捨てたから、ほんの少しだけ広くなった。次に掃除をする時、今回利用可能となったスペースを含めて整理しよう。ねむ……。

雨の頭身

冷たい雨が降っていた。今も降っているかどうかは知らない。そこそこ以上の雨が降るたびに、染みて濡れない靴が欲しいなあと思うが、雨の日を過ぎるとその思いを忘れるので、刹那の欲望としてずっとリストに乗り続けている。新生姜を食べた。甘酸っぱくて、普通の生姜ほどとげとげしいところはない。そもそもそんなに生姜を生で摂取するなよという話なのだが、好きなのでつい食べてしまう。味覚が鈍いのはこれのせいなんじゃないだろうか。雨のせいかおかげか花粉をそれほど感じない。いつものところに髪を切りに行き、今日はまたおばちゃんがいた。すげえ話しかけてくるので、私の得意料理がバレてしまった。トニックつける? いらない? マッサージは? していいね? よっしゃ。みたいな感じだった。あそこはマッサージをしてくれる人が二人いる。こんなことに詳しくなってどうするのだ……。

同時に起こる方程式

また物の値段の話だが、鍋の把手でそれを感じた。ティファールの鍋を握った時は、鍋を使ってする仕事に意識が向いて、鍋を持っているということを考えなかったのだが、アイリスオーヤマの鍋を握った時、あまりにも他人でぎょっとした。持っている、持たされている、とにかく意識に割り込んでくる。あと単純に持ちづらい。物としてするりと手に馴染むものは貴重である。貴重というか、探せばあるのだが、探す必要はあるくらいに、普遍的なものではない。手にしっくりくる、ということを考える時、いつぞやに見た、カービングの作品を思い出す。手と物の関係は、美術において永遠の命題のひとつだろうが、それだけを追求した作品もあるのだと思ったあれを。

磁石転輪

左手人差し指第二関節下の方にあかぎれができた。縦に走っているので、曲げ伸ばしに伴う肉の形の変化に巻き込まれて、まあまあ痛い。手荒れするほど空気が乾燥しているかと言うとそうとも思えないけれども、季節の変わり目で肌が参っているというのは考えられる。山菜に明るくないが、ふきのとうだか何かの芽はそろそろなのか。食べないけど。新生姜は食べた。季節に合わせて意識して食べたのは初めてかもしれないが、甘酸っぱくてトゲトゲした辛味がなくて、かわいらしいところがある。

下限回廊

半額で買った海鮮かまぼこがんももどきみたいなものは、とかく絶妙に美味しくなかった。不味いわけではないが美味しくない。というか味がない。いわしのやつは生臭くてしんどかった。この一週間の人生における気付きは、ものは値段であるということかもしれない。髪がもっそりしてきたので切りに行きたい。今日は眠かった。全然寝付けなかったのもある。花粉で目が痒いし。

物質連合

貸してもらった『三体』を少し読んでみたが、まだ何が始まったというわけではない。ただ、壮大でハードな雰囲気はする。カバーのせいかもしれないが。腰左側がまた軽く火傷したみたいになっている。床擦れなのだろうか。寝相が悪いのか、衣服がアレルギー的なそれなのか。一昨日あたりに、濡れた靴を干そうと玄関先に出していたことを完全に忘れており、雨に降られてえらいことになっていた。やべ、と思って、思っただけでまだ回収してないのでそのままになっている。買い替えの動機にはなる。ちょっと安かったので山型超熟を買った。うすっぺたい食パンに比べてむちむちしてしっかりしていて、また、値段とものの比例関係を考えた。

黄金色の

台湾パイナップルはめちゃくちゃうまかった。果物は普段全然食べないが、それだけに強烈だった。芯まで食えるし、何よりも、一片一片がジュースに満ち満ちている。今まで食ってきたパイナップルは、これに比べると紙である。強烈でいやみな酸味もなく、どばどばと甘い中で少しの酸っぱさがあり、いつまでも食える。気持ちとしてはいつまでも食える。切り分けながら一人で半分食ってしまったくらいには食える。じきに舌がビリビリしてきて、味が分からなくなってもったいないので食べなくなるだけだ。パイナップルにはタンパク質を分解する酵素が含まれていて、それが味蕾にどうこうという話だったはずだ。750円という値段について、これほどのものが食えるのであれば安いもんだったなと思う。店員の話によると、農家は張さんがよいらしいので、買う時はシールを見ましょう。

eat bill

ひとつあたり200円するみかんを食べた。高級品である。そもそもみかんの一個あたりの値段を意識したことがないのに、3つで600円なのだからすごかった。アイスみたいな単価だ。味はというと、これはさすがに値段相応の味がした。まず、手に持った時の皮の感触が違う。身の気配を感じない、皮がごってりとある。その皮もしっかりしている。オレンジを剥いているかのようだ。中身はみかんだ。しかし、その一粒一粒がジュースの一口にも匹敵する。甘さは濃いけれど、しつこいと思うほど深く足跡を残さないので、全て印象が新鮮なうちに、ひとつ食べきってしまった。値段は嘘をつかないタイプの経験をした。台湾パイナップルも買ってあるが、いい農家のものらしいので、そちらも楽しみである。

透明な隣人

三体の文庫が出ていますね、という話をして、中国SFの読者が近くに二人いたことを知った。同じく、ディックの読者もいた。たまたまではあるが、身近であった出来事が連鎖すると、世の中ってうまくできているなあと思う。雲というか霧みたいなので空が白くなって、昼から雨が降ったので、寒い日だった。

エビ・バーナー

劉慈欣『老神介護』をちょっとだけ読んだ。ちょっとだけも何も短編集なので表題作だけだが。文字通りの内容で、その内容に気付いたこともすごいし、何よりこの人は構成力がすごいので、ド級長編三体を読んだらものすごい気持ちになるだろう。出版社が角川なのがちょっと……というのはある。ちょっとじゃないか。すごく眠い。目的意識のない呼吸に困っている。そういえば昨日、大学の後輩に思わぬ場所で出会い、色々な消息を聞いたのだが、また鬱病の先輩が出たらしく、なんというかこう、精神性の磁場というものは本当にあるのだろうなと思った。

なぜ転び続けさせる

この二日よく使ったが、ウォークマンが好きだ。ちっちゃい板みたいな、古いモデルだが、音楽しか聴けない(一応ラジオも聴けるが私はラジオを聴かないので)のも好きだ。それしかできない。厳密には動画を入れると鑑賞できた気がするが、今更これでそれをやる意味もないので、一芸の持ち主ということにしておく。中のデータはほとんど更新していないので、買った当時私が持っていたCDのほぼ全てが入っている。だからそこから嗜好も更新されていない。一定のプールでずっと充足しているので、欲がないというべきか、どうなのか。目が痒い。ぼーっとしていて晩御飯を食いそびれたが、何か腹に入れないと夜中に起きそうなので、ふかし芋でも食べる。

砂糖入れ

部屋の空気がきんとしているので、もう少し冬っぽい。今日は書くことが特になく、しかも現在めちゃくちゃ眠い。この喉の奥に引っかかったような気持ち悪い感触に実体があったら、それが眠気の手触りに違いない。布団にもそもそと潜り込んで、あごまで毛布に埋めながら本を読んだりするのがちょうど気持ちのいい時期だが、こういう時に天井を見上げると、ふと我に返りそうになるので、ずっと横なり下なりを見ているのがいい。天井には何もない。経年劣化でクロスが剥がれてきている線はある。なぜ分割するのだろう。でかい一枚だと、貼るのも大変だしリカバリが効かないからか。内装を請け負ったことがないので分からない。

無味味噌

吉村昭『高熱隧道』を読んだ。後半が怖い。自然とはかくも、という感じがする。流しの締まりが悪く、結構ぐいっと締めなければぴちょぴちょ垂れてくるが、最近その「ぐいっ」の要求値が上がった感があり、壊しそうでいやである。あるいは、そもそも、水道はパッと締めて適当に立ち去るものであり、いちいちいちいちこれで大丈夫かな滴が垂れてこないかなと潜在的に恐怖するのは非常にストレスである。これでもパッキンだか部品だかを替えてもらった過去はあり、それでもこんなもんか、と思ってしまう。こういう、負わなくてもいいプレッシャーが背後にへばりついているのはきらいだ。やたらと眠い。

scut

蕎麦を茹でたが、鍋が小さいので湯が少なかったらしく、もちぃねちぃとした蕎麦らしからぬ蕎麦になってしまった。量も半量でよかった。茹で時間を守ったところで、諸条件によって達成されていないというのはよくあることで、よくあることを忘れるのもまたよくあることだと思い出した。まだ寒いので適当に暖房をつけているものの、一緒に花粉が入ってきていると思しく、ティッシュの消費量が明らかに増えた。これからやつの季節か。