信管

眠い。買ってきた肉を小分けにしていたら、ラップがなくなった。薬局に行った時買おうと思っていたのに、あまりのマスクや除菌ティッシュのなさに何度目かの仰天をして忘れていた。最後の方になると、透明ではなくなり、シワが入って老いた皮膚のようになり、軽く引っ張るとたちまちエンドが現れた。サランラップか何かのブランドから乗り換えた時には、やたら厚手で過剰包装の感があると思ったものだが、しばらく使い込んでくると、指先も慣れてしまい、そこまで肉厚を感じなくなった。唐辛子とニンニクが何かに漬け込まれている調味料、使い所がさっぱり分からない。まず、辛い。そこそこ辛い。食った後に唇を水でゆすいでもタオルで拭いてもぴりぴりする。ニンニクは、果肉を感じるが存在感が薄い。多分入っている。唐辛子が、タネまで含めて入っているのが曲者たる所以かもしれない。こいつを噛み破ると、時々目が醒めるほどの何かしらの刺激を覚える。炒め物は、何かしらの乖離がどこかからにゅっと顔を出してくる。それ以外は全く分からん。鶏のささみをスライスして、それにかけるといいかもしれないし全然合わないかもしれない。何か、他の調味料と混ぜて使うとクセのとんがった部分を鎮める事ができそうなような、できそうにないような。冷蔵庫の中で異端児と化してしまった。蓋の部分にプリントされているのも、アドレナリンが出過ぎて気が狂ったような赤いウマなので、全体的に座りが悪い。寝る時に着けている手袋、洗ったら白くなるが、それと同じくらいのインスタントさで、寝る前のハンドクリームですぐに黄色くなる。ハンドクリームは黄色くない。白い。でも、何かしらの反応を経て黄色くなる。尿素が入っていたりすると、それのせいなのか？　尿素って色があるんだっけ？　気になる。いちいち洗っている場合ではない。家賃を払わなければいけない。今月分は払える。来月はまだ分からない。銀行まで行くのが億劫だ。だるい。通帳もロストしたので、再発行の手続きを踏まなければいけない。同じくらい、あるいはそれ以上にだるい。鋼の錬金術師は観終わったので、銀の匙を観始めた。作者が一緒だね。テンションはがらりと変わったが、こちらも面白い。この人は、人間の情のゆらぎみたいなものを描くのがうまい。主人公周りのキャラクター造形もちゃんと噛み分けられる。あと、二期の主題歌のカバーがデレマスにあるから。姫川友紀……。無条件満点。