横溝正史の文章を読んでいると、ああ、素敵な文章だ、これを帽子にして被ったらよかろう、マフラーにしても素敵だ、靴にすれば歩くのも楽しくなるだろう、と、よく分からないことを考える。妙に口語くさいのだが、語彙や全体のバランスによってぴしっとしている。現在もりもり復刊されているので、どこから読んでもおもしろいだろう。食生活はめためたな日だった。マックのチキンナゲット15ピースキャンペーンの季節がやってきたが、どうにも記憶ほど安くない。さすがに寄る諸々の事情にはマクドナルドも勝てなかったと思われる。バターステーキソースみたいなやつと、カニクリーム風グラタンソースみたいなやつが今回の限定枠だが、バターステーキみたいなやつはまあ悪くなかった。バターの香りがする。でもすぐ飽きるというか底が知れるというか、少し下る良と言ったところ。ものすごいのがカニクリームなんちゃらの方で、カニカマの味と匂いがする。カニカマの味と匂いしかしないと言ってもよい。安い、ちゃらちゃらして鼻につくカニカマのそれがぷんぷんするものだから、これには食欲が実家に帰ってしまった。おいしいおいしくないではなくて、食べ物として認識するのが厳しい。過去のえびなんちゃらは海老満月の味がしたからまあよかったが、このカニはきつい。結論として、今回の限定ソースはちょっとハズレである。マスタードとバーベキューソースはさすがレギュラーにいるだけある完成度なのだと再確認する回だ。
