他愛がない

日記が置いてあります。タイトルと中身はあまり関係ありません。短編小説も書いてます(https://kakuyomu.jp/users/mezounagi/works)。 twitter:@mezounagi mail:mezounagi★outlook.jp(★→@)

よくでき

最近は割りに早起きである。人生に積極的な姿勢を見せるようになったわけでは全くないが、なんとなく、夏は早く起きた方がいい気がする。身体の中に、小学校の夏休みがこだまする。朝、涼しいうちに宿題をやりましょう、というのが、なつやすみのてびきみたいなプリントに書いてあったのだ。それをまだ覚えている。当時の私はそれにいたく納得し、今に至るまで覚えているようだ。ラジオ体操が朝7時に最寄りの公園集合とか、そんな時間だったはずだ。ラジカセで録音を流すのではなく、ラジオの放送に合わせてやっていたから。スタンプが埋まるのが楽しかったのはほんのり覚えていて、すると、その時から、特に意味がないものが貯まると嬉しいという私の性分は発揮されていたことになる。さすがに三つ子なんて歳ではなかったが、魂の成形は思うより早く、そして強固に行われている。用事があって大家さんに挨拶して、エアコンのフィルターを掃除しているかどうか聞かれたので、あ、時間が取れなくて、帰ったらやります、と言ってしまったため、帰ってすぐやった。実は、いや実はも何もなくて、この家に越してきてから一回もフィルターを掃除したことなどなく、エアコンのパネルを外したことさえなかったので、後ろ暗さがマイナスいっぱいルーメンだったのである。初めて見るフィルターは、全部私のせいだが、埃で、ナウシカ腐海みたいになっていた。聞き及ぶカビやらなんやらは見当たらなかったが、それはもっと奥深い、エアコン本体に記載されている素人は触るな、業者に任せろなエリアでこの世の四季を謳歌しているのだと思われる。幸い風呂場に園芸用ゴムホースがあったので、水圧で裏面から押し飛ばした。風呂場の排水溝が今度は埃でブラックホールみたいになっているだろうが、水が流れなくなってから考えることにする。濡れたような濡れてないような、薄羽みたいなフィルターを玄関先に立てかけながら、どこかで見たことのある光景だと思ったが、この前通りがかったビルの入り口で、入っているテナントの従業員らしき人が、ホースで水浸しにしながら同じような作業をやっていたのだ。しばしば通る、タバコの吸い殻でひどいことになっている裏道でも見たことがあるはずだ。みんな真面目というか、見えないところでも、やった方がいいことはちゃんとやるんだなあ、と思った。私は未だに、ラジオ体操のスタンプカードを集めているような人生なのに。